兵に告ぐ

明日から大学が始まるという噂を聞いた。

前期は3年にして週4日1限からという学生の鏡のような時間割と、水曜3限にしか姿を現さない伝説のポケモンもかくやというほどの出現率、そしてテスト期間に入ってからの現役受験生も恐れ慄くほどの追い上げをもってして私は未来へバトンをつなげた。
私の総取得単位数は未だ『まぁそれなりにやってる学生』の体面を保っている。
『ギター学部学食学科』というその実態を知る者は少ない。
明日からは、履修登録期間。各授業の成績評価基準をくまなく調べあげ、理想的時間割を組みあげるためには生半可な覚悟で挑むわけにはいかない。これは情報戦である。学生としての資質が問われる時が来た。
皆も頑張れ。私も応援くらいはしてやれる。

戦いはまず、朝起きることから始まる。
いやしかし

勝てる気がしない。

スポーツ大会の報告はまぁ近いうちに。

                                        管理人 やまぐち
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生きてるって、素晴らしい 後篇 ~07生最後の夏合宿~

~前篇あらすじ~
我々は本気で戦っていた。
でも何だろう、あんまり記憶がないんだ。

9月10日~ロマンを解するもの~
中日飲みの翌日は恒例、パーリー交換である。パーリー交換とはその名のとおり、パーリーをとっかえっこして基礎練を行うのである。パート練は各パーリーに全権委任されているため、練習方法、練習メニューもそれぞれである。この制度の難点は、このパーリー交換が飲み会の翌日に行われるという特殊事情により、交換されるはずのパーリーがいない、行った先のパートメンバーが壊滅している、という事例が数多く発生することである。しかし、今年は9割がたの人間が参加することができ、事実上の成功を収めたと言っても過言ではないだろう。
私は3rdに赴いた。3rdのメンバーは矢吹を除く全員が出席。なかなかのものである。私はメトローノームのゼンマイを巻きながら考えた。2ndのスパルタ基礎練を3rdでもやっていいのだろうか。私は悩みに悩んだ。ゼンマイをひたすらに巻いた。そしてめんどくさくなり、いつものようにやることにしたのである。2ndにおいて基礎練の時間とは、基礎練をするための時間ではない。基礎練の方法を学び、そのやり方を正し、自分で基礎練をやる時の指針にしてもらうべくやるものなのである。よって、いかに1年生がついてこれなくなったとしても、ペースを緩めることはない。悔しかったら自分で特訓し出来るようになってついてくればよろしい。
千日の稽古をもって鍛とし、万日の稽古をもって練とす。これ2ndの基礎練極意なり。
スケールは四分音符=200で8分きざみ、アルペジオは120。1242は160。これくらいが正確に入ってやっとスタートラインに立てる。あきら曰く、基礎練になんのフレーズでもないものを使ってるということ自体が謎だ。ということらしいが、エレキのソロフレーズでも取り入れたらいいのだろうか。引退までに考えてみるのも面白いかもしれない。まぁどんな基礎練でもどうしてこんなことをやっているのか、ということを常に自分の脳みそで考えてやらなくては意味がない。前日の夜中に基礎練について熱く語ってくれた矢吹がいないなか、3rdの基礎練は始まった。ゆうき並びに09一同が必死に基礎練に励む頃、2ndでは1stパーリーがその手腕をふるっていた。
[高画質で再生]

1stパーリーの基礎練

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たとえ話ではなく、手腕を振るうとは、きっとこのことだろう。歴代のパートリーダーはそこはかとなくその意思を受け継ぐものなのだ。私は2年前の夏合宿を思い出した。私が苦境に立たされているとき、タケノコニョッキゲームに勤しんでいた、あのにっくき1st。歴史は何度でも繰り返し、振り上げられたギターは何度でもその行く当てを失って宙を舞う。

昼が近付くにつれ次第に皆は落ち着きをなくしていた。
練習が終わると、総員汚れても良い服に着替え、指令を待てとの敷島からの命が下った。
敷島『不安ならば着替えを持ってください。現地までの送迎は2回に分けて行われます。乗り遅れないように』

敷島は言っていた。
『今回はかけてる金も時間も違うからな』
その溢れ出んばかりの自信に私は不穏なものを感じた。

我々は装備を固めて車へと乗り込んだ。
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実はこのレクあきらが参加しなかったのである。我々3人は玄関で押し問答を繰り返した。
道明『あきらも来いよッ!』
あきら『いや、俺マジでいいや』
道明『わかったよ、もうお前の指揮んときは俺弾かねぇかんな!』
山口『最後のレクなのに。。俺も弾かない。』
あきら『勝手にすればいい』
2ndの07は基本的に最低である。下級生の示しになろうなどという気はさらさら持ち合わせていない。実はあきら、このレクの時間に何とか重奏の練習をして、私やまっちょに差をつけようとしたのだが、彼の目論見は失敗することが非常に多い。我々が出発した後、彼は仮眠をとり、起きたらレクから帰ってきたまっちょがそこにいた。一人残らず全力に不毛である。
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戦いの前の腹ごしらえ。
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そしてこっちは準備運動。

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戦いのための装備が配られる。ゴムと金魚すくいだ。
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この標的を破られたら死亡。武器を置いて退場しなければならない。もし新たな金魚すくいを見つけることができた場合は復活することができる。最後に一番多く生き残っていたパートが勝利を手にすることができる。ルールはこれだけ。細かいことは気にせず、相手を完膚なきまでびしょ濡れにし、ついでに標的も破壊すればよいのである。なんてことはない。最後は全員ずぶぬれだ。
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各パートに配給された武器。
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潤った口でどうしろと?
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敷島からのルール説明。

秋山『山口さん、僕ちょっと写真撮っててもいいですかね』
山口『いいけど、カメラ濡れるぞ?』
秋山『ええ?カメラ持ってても撃たれるんですか?』
山口『当然だ。お前も標的はきちんと頭につけろ。』
秋山『マジッすか。山口さんは?』
山口『俺も付ける。しかしカメラは濡らさない。レクを甘く見るな』
私は覚悟の決まらない兵士を叱咤した。
すると背後から道明の悲鳴。
道明『山口ぃー!』
膝をついた彼の手にはタンクから水が漏れる2ndの主力兵器が握られていた。
『頼む、今すぐ直してくれ!』
無論、無茶である。見ると数日前に直したものとはまた別のものが壊れていた。千円以上もする水鉄砲でこれか。これだからMade in Chinaは好かん。さらには、なおの武器も使用前に破損が発覚し、2ndは加圧式の主力兵器を2つ失ったまま戦地へと赴くことを強要されたのである。残る武器は100円水鉄砲とじょうろ、バケツとミニカラーコーン。そしてキスミントと折りたたみ傘であった。敵はどこも加圧式の主力兵器を以前所持しており、まともにぶつかっては勝ち目はない。
我々は作戦を練った。組長が折りたたみ傘をさしたまま敵の本陣に突入、背後に隠れていた鉄砲玉木村がじょうろで敵を殲滅。これしかなかった。

敷島のホイッスルによって戦いの火蓋が切られた。
スタート地点は1stが川べりの階段。2ndが階段の上に広がる広場。3rdBassは少し離れたあずまやである。開始直後、2ndは地の利を生かし1stに上方からの一斉掃射をかけた。1stの陣営がいる限り、補給路は断たれたも同然であり、これを壊滅しないことには敗北は時間の問題である。開始30秒、2ndの弾幕をかいくぐった数名の1stの兵士たちが階段の上にあがってきたが、待ち構える2ndの兵士に囲まれる。ほとんどの兵士は逃げ切ったが、照井だけがなぜか残り4人を相手に蛮勇を見せた。四面楚歌とはこのことである。3rdの迎撃は壊れたタンクを持った道明が一人で引き受けた。その頃照井は必死に善戦していたが、それまで戦禍の中にして微動だにしなかった組長の目にとまったのが運のつきだった。
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バケツを持って助走をつけた組長の手から放たれた爆撃は照井の顔面をクリーンヒット。力は山を抜き、気は世を覆う。しかしびしょ濡れだ。標的は木端微塵となった。彼は一撃にして地に沈んだ。周囲の仲間をも巻き込みかねないその一撃に一瞬戦禍が止んだ。開始40秒での出来事である。
そして開始60秒。カメラを回していた私は気が付いた。3rdが全く動いていないことに。奴らは高台の上のあずまやから、文字通り、高みの見物をしていたのである。漁夫の利を地でいかんとする輩を私は許せなかった。正々堂々闘ってこそのレクである。
山口『ちょっとさぁ、1st2nd一回止め!』
戦いの手を止めた兵士たちに私は言った。今ここで戦っている場合ではないということを。
ここに1stと2ndの休戦協定が結ばれた。まずは戦いを舐めた輩に現実を教えてやらねばならない。2ndの授業料はとっておきに高いのである。
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開始1分30秒、事態を悟った3rdから特攻隊が差し向けられた。
道明『恐れずにかかるしかない!』
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1st2ndの混合部隊は特攻隊を蹴散らしながら3rdの牙城に突進した。
何度も言うがこのときすでに照井は死んでいた。
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囲まれた3rdは必死の応戦をする。地の利は3rdにあり、事実、突っ込めば矢吹の2Lペットボトルタンクの加圧式重装備に狙撃されることは目に見えていた。誰もがひるんで立ち止まったその時。
一片の躊躇もなく敵の本陣に突撃するものがいた。
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組長となおである。彼女たちは折り畳み傘を開き、水がなみなみ入ったバケツとカラーコーンを手に特攻をかけたのである。その気迫に負けた3rdは逃げ惑った。唯一応戦の手を緩めなかったのはLである。それ好機と2人に続いたのは敷島率いる4人の後続隊である。
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3rdの面々『やばい、弾がない』
戦において兵站を無視したものは必ずや窮地に立たされる。
私は気が付いた。奴らに補給路は存在しない。籠城もたいしてもたないだろう。
山口『矢吹の弾が切れるのを待て!』
なお『とりあえずびちょびちょにして戦意を喪失させようぜ』
2ndは基本的に鬼畜でどSである。
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籠城も最早時間の問題とようやく悟った3rdBassは、1st2ndの包囲網を全弾発射の強行突破。
補給路の確保に圷率いる部隊は道明の部隊と衝突を繰り返しながら川へと走った。
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取り残された兵士。
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一方、逃げそこなった籠城組は敷島の奇襲攻撃に耐えかね遅れて川へと向かう。
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しかしそこには道明が待ち構えていた。道明、たくま、まゆかのドS集団に囲まれた矢吹は標的を落とし、それをフリスビーで守りながら応戦をするも、散々弄ばれた挙句死亡した。時を同じくして圷も死亡。
この後、秋山がふざけて放った放水に真奈美が被弾。そして打ち返した弾がずーみんに当たると、事態は取り返しのつかない方向へと転がり始めた。
休戦協定がまだ有効なのかどうか判然としないままに一部で始まった小競り合いは瞬く間に広がった。道明がまっちょに背後からの攻撃を仕掛け、事実上休戦協定は破棄された。
敷島『道明休戦協定破ってんじゃねぇよ!』
道明『うっせぇ敷島ぁ!』
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最早誰にも止めることはできなかった。さっきまで談笑していた1st2ndの混成部隊の兵士たちは疑心暗鬼に陥り、互いに銃口を向け一斉に撃ち合いが始まった。
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兵士の半数は補給の途中だったこともあり、彼らはその手にバケツやタンクを持って川に飛び込み、半ば肉弾戦のごとき戦いが繰り広げられる。
最早誰も生き残れないのではないかと思ったその時、敷島のホイッスルが鳴り響いた。





結果は2ndの勝利。勝負事になるとその狡猾さを前面に押し出し異様な強さを誇るのが2ndである。ここで『お疲れ様』と言って帰ると思ったら、勿論間違いである。まだ全員びしょ濡れになってない。
第2ラウンドは生き残りをかけた個人戦。サバイバルである。標的は最早必要無い。ホイッスルの合図も無しに始まった戦いの目的はぬらすことであり、ぬれることである。
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やはり引き金となるのはこの二人。
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たくまは相手が女でも容赦がない。
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戦々兢々とはこのことか。
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ゆうきはこのあとメガネを流されます。
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この二人の戦いはいつもえげつない。
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道明『おらぁ!ちょっと待てお前ら!』
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このあと僕も盛大に水を浴びました。
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この後に及んで濡れたくないなんて思ったら負けですよね。
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クロスカウンター。
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なぜ照井は余裕こいているのか。
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彼はこのときすでにアンデッドと化していた。
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東久世『思う存分やってください』
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東久世『そんな攻撃、効ぶはっ』
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その場にいた全員が照井に一斉掃射をかけるが彼の歩みを止めることはできなかった。
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照井復活祭。
照井『どうした。撃たないのか』
矢吹『くそーーーー!』
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木村をペットボトルでたたきのめそうとする圷と東久世。しかし、2対1程度の肉弾戦では分が悪すぎた。木村の戦闘力はクラギでも随一である。
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はがいじめにされる東久世。
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東久世『圷さん、後は任せます』
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皆の見えるところで 見せないように着替えるのが、道明のやり方である。

無事一人も欠けることなくロッヂに帰還した我々は、お風呂に入って倒れた。夕飯までの空き時間も動いていたものは少なかったように思う。
レク日の夜はバーベキューだ。敷島たちの恐れたアレである。しかし、宿のかたと火鉢を持って戦闘になるようなこともなく、我々はバーベキューを楽しんだ。
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食後の花火もまた恒例行事。しかし、当会会員は花火の使い方をいまいち理解していないため、大体愉快なことになる。
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会長は勿論。
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技術指導も勿論。
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照井も。
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圷『おとなしくしろ。』
矢吹『誰か!助けて!』
矢吹は圷と敷島によってちくびを改造されてしまった。
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怪人チクビンガー『ハーッ!』
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『ちくびー!』
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『止まらねぇー!』
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『チクビーム!』
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フィナーレは勿論照井。

花火が終わると間髪入れずに始まったのが肝試しである。
そう、時間の関係上無くなってしまったはずのあの肝試しが復活したのだ。コースを二つ作成することで時間の問題を解決しただけではない。前回はグループ制だったこの肝試しを彼はカップル制にしてしまったのである。
彼ほど人のロマンを理解している合宿係がいままでいただろうか。
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しかし、私はくじで決めたそのペア表を見て、作為的なものを感じずにはいられなかった。全てを偶然で片づけるにはかなり厳しいものがある。私は思った。
『くそ、敷島め、いい仕事しやがる』
私は不正は許せないが愛情表現としてのやらせやドッキリは大好きである。Love makes everything all right.愛があれば何したっていいじゃないか。
不正は不正だなどという頭の固い輩は犬に喰われてしまえ。たとえ私が人間のクズだとしても犬のくそにとやかく言われる筋合いなどこれっぽちもありはしないのだ。
圷とペアのなおこは言った。『大丈夫です。圷さんは私が守りますから。でも圷さんが本当に怖がってくれないと私強くなれないので圷さん次第です』
頼もしい後輩である。合奏の時も夜道でも、いつだって圷は後輩に全面的なバックアップを受けているのである。
私は静かに盛り上がる場の雰囲気を楽しんでいた。
しかし、肝試しが始まって私は気が付いた。いや怖えぇ。何がトンネルコースだ。トンネルに行きつくまでで十分怖いではないか。私は敷島を呪った。何で肝を試す必要などあるのか。肝など無くともギターは弾ける。私にはホラー映画やらお化け屋敷やらを楽しむ輩の気がしれないのである。あんなことをしたら夜中にお風呂に入れなくなるだけではない。就寝時間になっても消せなくなった電気の料金、一体誰が持ってくれるというのか。
私のペアはあやだった。そして彼女は相当に恐がっていた。そんな彼女に私は優しく語りかける。
『手くらいならつないでやる』
しかし内心はむしろつないでくださいと言わんばかりに必死である。さらにその手も汗でびっしょりだから恥ずかしい。
私たちは宿を出て右にまっすぐ歩いて行った。曲がり角の目印を探しながら歩いていたのだが目印が見つからない。ようやく通り過ぎてしまったことに気づき来た道を戻ると前方から絶叫。
ルートの帰り際のカップルと行きのカップルが衝突し脅かし合ってるのである。これ以上燃費の良い肝試しはないだろう。トンネルにつくと、ドクロの柄の箱がぽつん。罠である。蓋をあけると不気味な不協和音とガタガタ動き出す生手首。私とあやはしばらく動かなかった。
『敷島大儀であった。しかし、金のかけどころを間違ってやいまいか?』
帰り際にずーみんとやっちゃんのカップルとすれ違った。しばらく歩いたところで後方からの絶叫が3回聞こえた。あれだけ楽しんで頂けたら、きっとあの手首も本望だろう。しかし3回も驚くところがあっただろうか。そのころあきらは星空コースの脅かし役として一人暗い物陰に隠れていた。春日の仮面を被って。間違いなく一番怖い目に合う役である。さらにはこのコース、道のりがわかりにくいこともあって勘違いしたカップルが多数道に迷い、本物の肝試しを楽しんだ。そして目の前を間違った方向に通り過ぎていくカップルを影から見送りながら、
『あの、こっちなんだけど』
とも言えずにずっと一人寂しい思いをしていたあきらに今一度拍手を。
こうして、長いレク日は終わった。
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合宿係お疲れ様。レクにかけるお前の魂。きっと後輩たちが受け継ぐだろう。

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練習に戻るものの我々は時間差でくる眠気に悩まされた。ちなみにまりこは仮眠中。
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もうだめである。
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楽譜すら目で追えなくなり、練習はお開きになった。
そこで私は決意した。今日は徹夜するぞ。と。
眠いから寝る、などと言っていては活路は開けない。私は体力任せにホールで練習を始めた。なぜかまっちょもついてくる。私は無心で練習し、気を失った。手からするりとギターが落ちた瞬間目を覚まし、床すれすれでキャッチしたところをまっちょに目撃され、もう寝なさいと叱られた。
しかし私の諦めは異常に悪い。まっちょが寝に行ってしまうと、私はシャワーを浴びて目を覚まし、その後朝まで練習に励んだ。


9月11日~視覚を奪われてもなお~

気が付くと私はなおに起こされていた。時計を見ると8時5分前。10分しか寝ていない。私は元気よく起き上がるとみんなを起こして回った。3年間の合宿の中で初めての出来事である。そして、寝ないで迎えた2ndのパート練。いつも以上に容赦のない基礎練が繰り返された。なんだかいつもより調子がいいと思ってはいたのだが、考えてみたらさっきまで寝ないで弾いていたのだから当然である。
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なんだかぼろ雑巾のようである。私のせいだろうか。

続けて行われたパート練。
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彼らはもう椅子にすら座ろうとしなかった。私は1年前の春合宿で、自分が椅子に座らず練習していたことを思い出し、注意する気にもなれなかった。自分がやったことは大体自分に返ってくるのだ。みんなも気を付けた方がいい。
私が苦い回想に苦悩しているとポジション取りのミスが発見された。
木村『ちょっと確認したいから川辺来て』
川辺『そっちが来なよ』
木村『はぁ、ちょっと来いよ』
川辺『嫌だよ、ホコリたつもん』
木村『川辺集合!』
彼らは3歩の距離ですら動こうとしない。もう明日は隣に座れ。

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成績発表である。皆が私のパソコンに群がった。
彼らは一緒に首を括るはらである。赤信号、みんなで渡れば怖くない。
しかし、そこには一緒に轢かれるか、バラバラに轢かれるかの違いしかない。無事に渡り切れた者は一体何人いるのだろうか。

この日も合奏練習が行われた。しかし、合宿も半ばを過ぎ、明日には発表を控えた皆に集中力など求める方が馬鹿を見る。私はついに最終兵器を出すことにした。
私は数人にドアを閉めさせると、電気を消した。予想以上に真っ暗である。
山口『普段いかに視覚に頼って演奏していたかを知るがいい』
背中に隠していた蛍光棒を出すと、合奏開始である。誰しもが満を持して見当違いな音色を奏で、ストローク隊はことごとく壊滅し、不気味な音をかき鳴らす。所詮は戯れであったとしても、聴覚にのみ頼る演奏はなかなか新鮮なものがあった。

夜中になるとまた重奏練習である。
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とりあえず本物を見ておこうと言うことで始まったカルメン鑑賞会。リベルタンゴ重奏の面々も加わった。彼らは毎日夜遅くまで練習と称した川辺弄りに勤しみ、暇になると宿を徘徊するのである。それにしてもカップ麺をすすりながらカルメンを鑑賞するという機会もなかなかないのではないだろうか。

カップ麺を送ってくださった矢吹君のお母さんにはこの場をかりて、ありがとうございました。本当にこのような場で申し訳ないです。。

我々は練習に戻った。最早徹夜も覚悟である。
あきら『ビゼーなんて死ねばいい』
まっちょ『もう死んでますよ』
山口『ならばもう一度死ねばいい』
まりこ『スー…スー…』
そして我々は早々に寝た。朝まで。

9月12日~微笑ましい土下座~
ついに迎えた発表会オーディション当日。
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例年の学年合奏の学年合奏の完成度を改善するために開かれた学年合奏発表会。しかし、07の学年合奏は私の怠慢により見るも無残な結果に終わる。

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まずは1年生の独奏発表会
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オーディションは敷島と照井によるヒゲダンスによって幕をあげる。
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普段は誰も期待をしていない不毛な方向へ全力で後輩たちをいざなう上級生たちもやる時はやる。これはギターの合宿であると、最後の最後で必死に訴えかけるのである。


そしてオーディションが終わればまた飲み会である。
我々は資格のテストのために途中で帰ったずーみんの分も戦い切ることを誓う。
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トイレで。
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誕生日なあやを祭りあげるべく我々は立ち上がり、トイレへ引き籠った。
この頃、とうのあやは何やら珍しく真剣な面持ちの会長に呼び出され、本当にビビっていた。
しかし、よく考えた方が良い。07が真面目な顔をすることなんて、ドッキリやドッキリくらいである。


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我々は見事にあやを祭りあげ、任務を遂行した。
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『おい圷、あや泣いてるぞ。お前も泣いて土下座しろ』
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圷『本当にごめんなさい』
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敷島『はい、あーん』
何はともあれあやは誕生日おめでとう!そしてごめん!
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その後、新たに動き出す敷島隊。もう彼らを止めることは誰にもできない。というか誰も止めない。

どんちゃん騒ぎの挙句終わった飲み会。
みんなが寝静まったころ、私と明は私のパソコンで昔の写真を見ながら自分たちの歩んできた不毛な歴史と自分たちの現在の境遇に思いを馳せ、大きなため息をついていた。

9月13日。~約束の地、大浴場にて~
徹夜で迎えた最終日。
合宿の全てが終わり、気だるい雰囲気のなか迎えた最後の朝食。
周りでは朝食を食べ終えた者たちが、『どこを探しても木村がいない』と騒ぎはじめていた。
正直な話、どうでも良い。私はパートの後輩の行方など微塵も気にしなかった。

食後の眠気に耐えかね、一人食堂前の喫煙所で眠りについた私は、道明の絶叫に目を覚ました。
『やまぐちぃーーッ!やまぐちーーーーッ!カメラッ!木村がッ!カメラッ!』
私は驚きのあまり椅子から転げ落ち、辺りに置いてあった灰皿やコップを四方にまき散らした。
道明は起き上がる私を待つことなく地下の浴場の方向へと走り出した。私は再びコップやらたばこやらを払いのけながら立ち上がると、カメラをむんずと掴み道明の後を追った。
なおこ『山口さんッ!』
山口『すまんっ後は頼む!』
私はなおこの制止を振り切った。なにかただならぬことが起こっているのだ。おそらく風呂場で。
呆然と立ち尽くす女性陣をよそに、道明の絶叫に呼び寄せられた男性陣一同も後に続き大軍をなして走り出した。

大軍を引き連れ大浴場に足を踏み入れた私は、生まれて初めて見る光景に言葉を失った。
我々は湯気立ち込める大浴場の中、荘厳な姿で横たわるそれと真正面から対峙し、畏敬の念とともに未だかつてない脱力感を味あわされたのである。
その光景はまるで一人の偉大なる勇者の死を看取る戦士たちのそれであった。
しかし、実際に違うのはその勇者が全てを丸出しであられもない姿にてタイルの上に横たわっていることであり、周りの者たちが爆笑していることである。その場にいたすべてのものが声にならない笑い声をあげて苦しみ、のたうちまわった。
『皆を叩き起こせ!この事態をできる限り多くの者に伝えるのだッ!』
07生を筆頭に我々は彼の生死を確認するのも忘れ、まだ寝ていてこの事態を知らない者たちを起こすため、宿中に全速力で散った。眠気眼で怒りをあらわにする者たちも皆、その光景に膝を付きひれ伏した。
そして、風呂場を埋め尽くす男たちに囲まれるなか、木村は目を覚ましたのである。
『え…えーーー…何これーーーー』
彼は頭をかきむしりながら、悲痛な叫びを漏らした。
申し訳ないが今一度大爆笑である。
彼は2時間ほど前にシャワーを浴びに来て、突然の吐き気に10分だけ、と横になったまま、起きたら大勢の者に囲まれていたのである。
一歩間違えば死。しかし、彼は我々に生きる喜びを教えてくれた。
道明『生きててよかった。一生忘れない』
山口『今までの辛い経験の全てが報われた気がする』
あきら『あんなに笑ったのは生れて初めてだった。この先の人生の真面目な局面で、思い出し笑いをしないかが心配だ。』
皆が口々にその感動を訴え、木村に感謝した。
木村は言った。
『いやー、マジで気持ちよく寝れました』

みんな幸せ。めでたしめでたしである。
万歳三唱。一本締めにて07最後の合宿はその幕を下ろす。
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これで、良かったんだよね?

                                       。。。とりあえず(終)

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生きてるって、素晴らしい 前篇 ~07生最後の夏合宿~

合宿の全てが終わり、気だるい雰囲気のなか迎えた最後の朝食。
食後の眠気に耐えかね、一人食堂前の喫煙所で眠りについた私は、道明の絶叫に目を覚ました。
そして、その後見た情景を、私は生涯忘れることができないだろう―


大浴場にて全ての幕をあげたこの合宿は、同じく大浴場にてその幕を下ろすこととなる。

9月7日。~決戦は大浴場。~
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我々明治学院大学クラシックギター研究会御一行はバスに乗り込み合宿へと向かった。
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この光景も3度目である。
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例年とは一味違う合宿係。
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毎年練習部屋決めは1週間の生活を決める譲れない戦いである。結果、1stはゲーム部屋、2ndは和室、3rdは合奏ホール、BassはBass部屋。私が思うにこれ以上的確な部屋割りはない。ちなみに私は3年間ずっと和室である。
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部屋決めのあとはパートミーティングである。ここではパートメンバーの合宿での目標を設定する。2ndにおいては、演奏面、生活面、飲み会面の3つの項目があり、上級生は毎回最早実現不可能と思われる目標を設定する。(川辺が毎日朝食を食べる。など。ちなみに彼は一度も朝食に姿を現さなかった。)
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2ndの合宿初練習。すでに蒲団が敷かれ木村が寝ているのは、まぁ、そういうものである。
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3rdは早速剣の舞の命ともいえる裏拍の練習。

練習が終わると飲み会に備えたお風呂タイムである。飲んだ後にお風呂に入るのは危険という意味で事前に入るのだが、風呂上がりにすぐ飲み始めるところを見ると、実際何も考えていないのだろう。
今までの合宿ではいつも夜更かしするあまり、なかなか皆とお風呂に入っていなかったため、私は最後の合宿くらいと、道明たちに促されて風呂場へ向かった。この選択が正しかったのかどうか、今になってもわからない。たぶん、どっちでも良い。
着替えを取りに行っていて出遅れた私が風呂場に着いたころには、既に全員が先に入っていた。
扉を開け放った瞬間更衣室にまであふれ出る湯気。響き渡る圷の悲鳴と、頭から湯船に落ちる人のシルエット。頭上から降り注ぐ熱いのか冷たいのか全く分からない水滴に私は入る所を間違えたのだと思った。しかし、逃げ惑う09と08をしり目に、両手にシャワーを持って冷水と熱湯をかけあう道明と敷島の姿を確認し、私は入る場所ではなく、一緒に入る人間を間違えたのだと知った。勿論私がそのような阿呆どもの相手などするはずもなく、一人髪を洗いながらいくつもの風呂桶に冷水と熱湯をためる作業に集中した。


その後の初日飲みは、いたって平穏なものだった。階段から転げ落ち歯を折る者もいなければ、手に武器をとって戦うものもいなかった。多くの酒が残ったまま片づけも始まり、初日のみは一部の期待を裏切り平穏に終わったかのように見えた。
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いつの間にか私がリーダーとなっていたカルメン重奏は、その曲の完成具合から1日たりとも休む余裕がなく、この日も飲み会の後に練習をすることになっていた。なんとなく飲み会の雰囲気を引きずりだらだらと練習を始めようとしていたその時である。窓の外から聞こえた叫び声に私はカメラを持って部屋を飛び出した。
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互いに構え、合図を待つ6人。
彼らは水鉄砲にビールを入れ、突然戦い始めたのである。合図の前に発砲した敷島の水鉄砲から放たれたビールは照井を直撃し、うやむやのうちに銃撃戦は始まった。
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チーム戦だったはずの戦いは照井のゾンビ化により、生き残りをかけた1対5の混戦へと突入する。
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戦いは思わぬ形で、冷静に考えたら当然の帰結として終わることになる。宿の方に怒られたのだ。
散々騒ぎ、最高潮に盛り上がったところで、水道の蛇口を破壊。焦っているところをさらに宿の人に叱られたのである。残念ながら300%彼らが悪い。
ビールまみれになった体を洗い、風呂場を出てきたところで照井は盛大に吐き始め、残りは喫煙所にてひたすらに落ち込んだ。ひどい顔である。
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この6人が起こした事件は、予想以上に深刻であった。
東久世『レク日のバーベキューもあるのに、やばいっすよ』
そう、レク日のバーベキューは特に宿の方にお世話になるのである。さらにはその連絡役ともなるのが今回の首謀者である合宿係敷島22歳。彼らはまだこれが初日であるという事実に気づき大きなため息をついた。
合宿初日。実はまだ終わらない。
午前2時を過ぎたころ、2nd部屋ではまた別の事件が起こる。
09がそろって弦の交換をし、その最中、かずまがギターのサドルを紛失したのである。そこに居合わせた09や東はただちに捜索を開始。カーペットをひっくり返し、畳の間もカバンの中もギターのホールの中までも探したが、かずまのサドルは発見されなかった。
私は悩んだ。スペアのギターもないこの状況で、初日からギターが使えなくては明日から練習ができない。喫煙所にて私が悩んでいると、そこに東久世と木村、なおがやってきた。彼らは口々に好き勝手なことを言い、ついには割りばしを取り出してこれで作ってしまえばいいと言い出した。
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これが普通の状況なら笑い話で終わっていただろう。しかしこのときは違った。合宿初日から続出する不毛な事態を打破すべく2ndパーリーは立ち上がったのである。
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30分後。右側が木村のギターサドルをモデルとして、かずまのギター用に調整が繰り返され完成した割りばしサドルである。
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周囲の期待を一身に浴びながら東久世による弦交換が始まった。
東久世『B…C…D……E♭…』
全ての弦が張り替えられると、私はギターを手に取り演奏した。
割りばしギターで奏でられるアシタカせっきの音色は驚くほど柔らかいものだった。
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去年矢吹が使っていたこのギターは音が固いことで有名だったのだが、彼が1年間悩み続けたその音質は1本の使用済み割りばしにより解決した。大切なものはいつだってプライスレスなのである。
2000番台のやすりで最終調整されたその完成度は言われるまで道明ですら気がつかないものとなる。
こうして我々は初日から不毛な寝不足を抱え走り出した。

9月8日。~まるで水死体のように~

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我々は朝から沈んだ。全員がそろう朝食の場で、昨夜の風呂場での大乱闘と水鉄砲の件で注意を受けたのである。その主犯格が明を除く執行男子全員だったと言うことに我々は心から反省した。そして、誓ったのである。
『何をしても騒いではいけない。何をされても騒いではいけない―何でもするけど、騒ぐなよ?』と。
この時すでに敷島の中では新たな計画が動き始めていた。

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2ndでは強化練での公約通り、合宿初日に1年生の楽譜から運指が消された。2ndに入ったものは音楽経験者、初心者の区別なく未来の先鋭になってもらうために私と道明によるスパルタ指導が施される。
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2日目、夕食の前には菅野さんに演奏会をしていただいた。
そこで彼らは3年目にして、ツートップ最前列センターからのオウンゴールを決めた。
『こんなはずではなかった』道明は言ったが、最早負け犬の遠吠えである。
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2日目にして新たな指揮者も加わり大盛り上がりの合奏練習。これくらい普段から指揮者を見ていただかないと困るのですよね。あきらくん。

夜。再びお風呂タイム。
我々はそれぞれ手に強力な水鉄砲を持って風呂場へと走った。木村が来るのを知っていたからである。それぞれが熱湯や冷水をタンクにため込み静かに髪を洗い始める。どれだけ沈んでも水死体のようにプカプカ浮かんでくるのが07のチャームポイントである。座った木村に隣から声が掛けられる。
『大声、出すなよ』
全員が振り返り一斉掃射をかけられた木村が熱いとも冷たいとも言えずにのたうつのを見て我々は満足した。
風呂場から出た私と道明は私の工房(喫煙所)に向かった。一番強力な水鉄砲が壊れたのである。道明が熱湯を入れ加圧したポンプが圧に耐えきれず壊れたのだ。本来中日のレクで主戦力として使用されるはずの強力水鉄砲が木村のために壊れたとしたらコトである。
私はドライバーで無駄に20個以上あるネジを外し、タンクのつなぎ目をナイフとライターで修理した。
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この後もチャックが壊れた筆箱などが喫煙所に運び込まれ2ndパーリーのタダ働きは続いた。ちなみに2ndパーリーとは音楽職である。

9月9日。~死相がでてる~

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真昼間から元気な09と最年長圷。
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この日は2ndにおいて、初めて裏拍のテストを行った。パーリーの私が今まで恐怖のあまり実行に移せなかったこのテストであるが、いつまでも逃げているわけにはいかない。
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裏拍テスト

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私は勝負に出て、敗戦をきした。
木村は言った。
『5年間の経験です』と。
通常は周りの音を聞いてから演奏を合わせていたのではテンポが寸分ずれ、演奏に影響するものである。しかし、クラシックギター歴5年の彼はその場の雰囲気を読み取り、光の速さで周りの演奏に合わせることを会得していたのである。彼の堂々たる態度に一瞬周囲もうなずきかけたが練習メニューが一つ増えることは避けられないだろう。

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あきらの音楽講座~調ってなぁに?~
私はみんなの頭上にたくさんの?マークとzzz..マークを確かに見た気がした。
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『こいつら一体何の話してんだ』と思ったクラギっこも多いと思うが、あきらはそんな君たちのために実はとても大切な話をしていたのである。クラギにおいてはその優しさの8割がたが報われないのが悲しい事実。しかし、調のことやコード(和音)のことをギターに関連付けて理解すると、楽譜から得られる情報量もスピードも格段に上がる。楽譜が全然読めない人にこそこれらの知識は知っておいてほしいわけである。
どんなに便利な公式もその使い方がわからなければ鼻くそ同然。あきらの説明はわかりやすかったと思うのだが、ここでヘビー級の補足説明。
興味がなかったら読み飛ばしてくれと言いたいところだが、もしわからないなら是非読んでいただきたい。
では実践例。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まず自分が今まで演奏したことのある独奏譜を見てみましょう。
♯や♭はついていますか?なにもついていなかったら合奏譜でも見て下さい。
まず♯のお話から。♭の楽譜の人も聞いてください。
音符の音をとるのがやっとの人にとってこの♯、なかなか頭にくる存在です。音を取りながら、
『あれ、この音普通に弾いて良かったんだっけ?』
そのつど左端を見て何の音が♯なのか見ているうちに、もうわけがわからなくなってくる。
♯が3つも4つもあって臨時記号もたくさんあって和音ばかり、なんて楽譜だともう目も当てられない。思わず楽譜の左上に何の音が♯なのか書き込みたくなっちゃいますよね。まゆかさん。
『音くらい自分でとってこいよ』なんてセリフに殺意を覚える季節の到来です。でも、小さい頃から楽譜の読めた奴らにはきっとこの辛さはわからない。罵詈雑言は心の中で叫びましょう。
ここで役に立つのがあきらがちょろっとしていた話です。
実はこの♯な彼。現れる順番が決まっているんです。最初はファ、次はド、続いてソ、レ、ラ。本当はまだ続きますが、とりあえずこれくらいで。この順番さえ覚えてしまえば、楽譜を見て♯の数を数えるだけで、どの音が♯なのかわかってしまう。ということです。
お次は♭な彼のお話。
この♭、♯に比べるとギターの独奏譜にはあまり出てきません。どうしてでしょうか。
彼の現れる順番はシ、ミ、ラ、レ…ギターと仲の良いあなたはもう気づいたかも知れません。
そう、♭が2つ付いた時点でギターの1,6弦のミ、2弦のシが使えなくなってしまうんです。4つ付くと4弦のレまで使えなくなってしまう。開放弦の使えない独奏譜、辛いと思いませんか。きっとメロディーを弾きながらベース音を弾くだけでも大変なことになってしまう。
じゃぁ弾きたい曲の楽譜にフラットがたくさんついていたらどうするのか。ここであきらの話していた『移調』の登場です。『移調』はつまり、カラオケで声の高さが合わない時にいじくるアレです。
身近なところでは合奏のアシタカせっき。あの曲は♭が4つ出てきますね。あれは7パートが力を合わせているから出来ることであって、一人でやるにはしんどいものがあります。じゃぁたまに私やまっちょが一人で弾いてるアシタカせっきはと言うと♯が2つなんです。これが独奏譜用に『移調』した。ということ。
ちなみに『転調』と言うのは、1つの曲の途中で調を変えることで、曲の雰囲気を変えるテクニックのことを言います。道明がたまに弾く『魔笛』や照井が良く弾いていた『ラグリマ』いちばん身近なところでは合奏曲の『威風堂々』などで使われています。
あ、『威風堂々』で使われてますからね?知らんかった…って人は黙って、静かに、音を取り直しましょう。
基礎練の時間ではちょっと時間がないから取り入れられませんが、自分で『調ごとのスケール練習』なんてのを練習に取り入れてみると、とてもためになるのでやってみてはどうでしょう。
自分なりに調のことについて理解が深まったと思ったら『5度圏ってなんですか?』と道明あたりに訊いてもいいかも知れません。きっと嫌な顔一つせずに説明してくれます。


では次はもっとギターっぽい話をしましょう。みんなの気になるギターコードについてクラギ用に軽く説明します。暇になると道明や私がすぐジャカジャカしだすやかましいアレです。
2ndには全員に配ったのですが、ここからはギターのコード表を持っている前提で話を進めます。持ってない人は私に言ってくれればあげます。部室にも探せばいろいろあるので探してみてください。ただし、たまにおかしな指指定のコード表もあるので覚える前にわかる人に確認を。

まずはじめに確認しておかなくてはならないのが、コードと言うのはギターのテクニックの名前ではなく、『和音』という意味であること。
和音はroot音(基準になる音)を含めた複数の音によってできています。つまり、とりあえずその構成音を押さえていれば良いわけだから、同じ名前のコードでも、いくつかの押さえ方があったりします。なので、『覚えた押さえ方と違うんですけど』なんて文句は言いっこなしです。

ギターのコードには、『オープン・コード』や『バレー・コード』、『パワー・コード』など、いくつか種類があります。
コード表のCDEGAを見てみましょう。全部の弦を抑えずに開放弦を使ってますよね。これが『オープン・コード』。次はFBを見て下さい。セーハしてますよね。これが『バレー・コード』。
大切なのはここから。EとF、AとBを見比べてみてください。セーハしてる人差し指をはずすと形が似てると思いませんか?というか同じです。
ギターと仲良しさんならもうわかったはず。この人差し指はギターの0フレット(ネックの一番上の白いヤツ)の役割を果たしてるんです。E(ミ)の半音上はF(ファ)ですよね。だからEのポジションはそのままにセーハを使って1フレット分全部の弦をずらしたわけ。ではGは?そう、F(ファ)とG(ソ)の間は全音(2フレット分)あるので、Fの形のままセーハしている人差し指を3フレットまでずらせば良い。
では、威風堂々で最後に全員でジャカジャカするあのコードは何でしょう。Fの形のまま10フレットまでずらしているということは…そう、Dです。合ってましたか?
これはBのコードでも同じことです。つまり、AとEにmやm7、7がついたコードの形を覚えれば同じ形でフレットをずらすだけですべての音階のコードに適用できるということです。
ちょっと余談ですが、オープンコードのGと3フレットセーハのGは同じ音に聞こえるのに、オープンコードのCと3フレットセーハのCの音は何だか同じ音に聞こえない。どうしてでしょうか?まぁちょっと考えてみてくださいな。何も考えないと脳みそが発酵します。

ちなみに、コードを覚えて一体何の役に立つのか。ということですが、それはコードを覚えてから、自分の弾いた独奏譜などを改めて弾いてみるのが一番わかりやすいかと思います。特にポップスなどの独奏譜はコードをばらしただけのような楽譜が結構多い(当然と言えば当然なんだけど)ので、『これ、コードでアルペジオしてるだけじゃん!』なんてこともあったりします。
09は先輩に独奏を教えてもらっていて、『こいつら何で自分がこんな苦労して音取ったフレーズ、簡単に弾き腐るんや』などと思ったこともあると思いますが、まぁ経験の他にもこういった知識の差もあったりするわけです。
合奏においても、コーヒルンバにおける、5thギターのIntro2のコードはAm→G→Fのバレーコード進行だし、アシタカせっきの2nd、5thギターのストロークもよくあるバレーコード。3rd,4thギターのCの難しげなアルペジオもコードを押さえながら小指と薬指で遊んでるだけだったりします。威風堂々の3rd,4thギターのストロークは言わずもがな簡単なオープンコードにBmとBm7が混じってるだけ。
皆でしっかりコードを覚えておけば、パート内で和音のポジション取りを改めて確認する時も、
『えっと、4フレットセーハで中指は3弦5フレットで…』なんてことをしなくても、
『C♯M7でヨロシクッ!』『オスッ!』とCoolな練習をキメて、あまった時間でアイス工房に行くことだってできる。
まぁ、来年みんなで勉強してみては。ちなみに、mとかm7、dimなど、全部意味があって覚えておくとちゃんと自分でコードが作れるようになるので、是非自分で勉強してみてください。受身の音楽はやっててあんまり楽しくないと思うので。

わかったら、とりあえず弾いてみましょうか。C→G7→C。
起立、着席、礼。です。はい今日の授業はここまで。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ええと、どこまで話したかしら。そうそう、あきらの話が眠すぎたというとこまででした。

そのころ例の如く報われない圷は死んでいた。
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何度見てもひどい写真である。死相がでてる。
我々は彼に精一杯の声援を送ったが、それだけだった気もする。
2ndパーリーは翌朝それなりに頑張ったのだが、効果があったかはちょっと不明。

こうして執行は死んだ圷を引きずって飲み会を始めた。
中日飲みには恒例のコーナーが存在する。行きのバスで配られたアンケートによって選ばれた者たちが讃えられ、飲まされるのである。飲まされるだけであればよいのだが、大体そうはいかないため、彼らはバスの中で日ごろの行いを悔い、神に祈るしかなくなる。
ここからはそのアンケートの結果である。
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Mrクラギ 圷  Msクラギ  
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空気読めないクラギっこ
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どS あきら どM 照井
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パンスター 山口 その挑戦者 照井
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こらしめておきたいひと 道明
彼は服を脱がされ、縛られ、飲まされ、転がされ、ムチでシバかれた挙句、愛を叫ばされた。
『あきらぁーー!めっちゃ気持ちよかった☆』
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男装女装させたいひと りさ L あんな たくま

アンケートコーナーが終わると例年ならば普段の飲み会が始まるのだが、今年は何だか違った。まず、女装していたたくまが圷指揮のもとの10人以上の男性陣の襲撃を受け、恐ろしい辱めを受けた。地獄絵図と化した廊下にはたくまの悲痛な叫び声が響き渡ったが、誰ひとりとして助けるものはいなかった。
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彼はその後、自ら制服の下に風船おっぱいを入れ、撮影会を始めていたのはここだけの話。
もし新たな世界に目覚めたとしても会長が責任を取ってくれるだろう。
その頃同じく女装をしていたLは男性陣にかわるがわるお姫様だっこをされ弄ばれていた。
道明『お前、脚きれいだな!』
彼は嬉しそうにしていたが、そういう問題ではないと思うのは私だけだろうか。

そして、そんな生ぬるい?飲み会の雰囲気に業を煮やした彼らがついに立ち上がった。
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ゴウモンジャー

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そう、彼らこそがゴウモンジャー。飲み会の度に返り討ちにあい、トイレに身を沈めていた圷佑大はある日トイレで謎の声を聞いた。
『そんなに勝利が欲しければばわたしの力をお前にやろう』
彼は自分が吐き出したブツに励まされ復讐を誓った。その手に勝利をつかむために。
あらゆるコールをも受けない謎のパワーと頼もしい仲間を手に入れた彼は、飲み会に調和をもたらすためにいろいろなものを棒にふってゴウモンレッドとなり果てた。
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その悲痛なまでの『やむにやまれぬ』姿にその場にいた全員が、同情した。
しかし、彼は局面の打開を焦るあまり敵の布陣を確認することを怠っていた。
飲み会という戦いにおいて一瞬のためらい、判断ミスは命取りである。常に場の情勢を的確に判断し、自分の立場(役職など)を踏まえた5手先までを予想したうえでの行動が要求される。
結託、裏切りなど日常茶飯事である。敵だ味方だなどという考え方自体が甘っちょろいのだ。死屍累々の上にまだ立っていたからと言ってそれが勝利とも限らない。歴千の兵どもは散々暴れまわった挙句朝方には死んだフリをして片づけをやり過ごし、翌日の練習に現れるのである。

そう、彼らが御敵、1stの鯨飲少女の後ろにはクラギの誇るどSアッキーラ率いる悪の組織が控えていたのである。鯨飲少女を取り押さえていた生徒会長がその手を緩めた時、すでに室内にいたすべての動ける人間が立ち上がっていた。
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一騎当千の圷キラー・ブラックチナッティーが突撃をかけるとゴウモンジャーの戦列はいとも簡単に崩れ去った。
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それ好機と追撃をかけるアッキーラと千の名を持つ男・敷島Sお。
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圷『東久世をゴウモングリーンにしてしまえ!』
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抗戦むなしく倒れるゴウモン水色。彼はその最後まで風船おっぱいを手離すことはなかった。
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わたる『ゴウモン水色を救うんだ!ゴウモンイエロー!』
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互いに作戦会議。
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適格な支持を飛ばす敷島指揮お。
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ゴウモンジャーはゴウモンニューホワイトあや、ゴウモングリーン東、ゴウモンニューブラックかずまを加え、安い挑発に出た。
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現実の世界では悪の組織はポージングの時間すら与えてくれない。
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悪の組織の狙いはただ一つ。ゴウモンレッドである。
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逃げ惑うゴウモンレッド。助けは来ない。
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とらわれたゴウモンレッド。彼は散々飲まされたうえ、ゴウモンジャーの証である赤シャツの上に地味なタンクトップを着せられてしまう。
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ゴウモンジャーたちはクモの子を散らすように逃げ惑い、一人ずつ悪の組織に組み込まれていく。
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残ったのはたったの数人。しかし彼らはあきらめなかった。正義は必ず勝つと言わんばかりの闘志で最早軍団と化した悪の組織に立ち向かっていったのだ。
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さよならゴウモンブルー
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鉄壁のゴウモンニューブラック
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矢吹の毒牙にかかるゴウモンイエロー
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そしてついに捕えられるレッド
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彼は必死に助けを呼んだがやっぱり助けは来なかった。
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もう終わりかと思ったその時。
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むしろ終わらせてくれないどSな悪の組織。
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ゴウモンレッド『助けてーゴウモンブルー』
視覚を失った彼はすでにゴウモンブルーが悪の組織に組み込まれ苦しむ自分を写真に収めようとしていたことを知らない。
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ゴウモンレッド死す

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こうして戦いは終わった。そう、正義が勝つとは限らない。
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イケメンの 眠るトイレの 奥深く
     揺れる水面に なにを思わん

ゴウモンレッドはその力を再びトイレに帰した。彼の野望も夢もその志も全てまとめて下水の藻屑である。一方その頃宴会場では新たなる戦いが始まっていた。
飲み会において、その目的が最終的に飲ませ合うことではなく、戦いそのものになってくると、いよいよクライマックスである。
故ゴウモンブルーはその手にパンストをとった。狙いは宿敵鯨飲少女。しかし彼女の手にはすでにムチが握られていた。無論、彼はことごとく返り討ちにあいムチの前にひれ伏した。一方、部屋の反対側からするどこか懐かしい炸裂音は故ゴウモン水色と生徒会長の一騎打ちである。その手に握らるるはスリッパ。それは最早じゃれ合いなどというレベルではなく、両者一歩も引かぬ攻めオンリーの殴り合いである。その戦いに突っ込んできたのが鯨飲少女と故ゴウモンイエローである。ゴウモンイエローもまた、いたいけな少女に頭からパンストを被せんとする不貞の輩であった。そこに現れたのがアンデット照井である。彼がアッキーラの指示に従い全力で放ったトイレットペーパーはゴウモンイエローの股間を直撃。崩れ落ちるゴウモンイエロー。そして、パンストをかぶったまま走りだしたゴウモン水色を敷島が抑えると、パンストの反対側をクラギパンストNo2の照井にかぶせた。
敷島『ラウンド2!』
誰しもが思ったはずだ。『青二才が照井のじょりじょりひげに敵うはずもない』と。
しかし、最後までパンストをかぶり続けていたのはゴウモン水色であった。
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彼は自ら回転することで、己が頭にパンストを巻き付け、強力な摩擦抵抗を生みだしたのである。パンスト界にチートなどという言葉は存在しない。視覚を奪われた戦いにおいてルールなどというものは存在しないのである。
No2が敗れた以上、避けられない戦いがそこにはある。
私はカメラを置いてパンストをかぶった。不毛な興奮に包まれた宴会場。もちろん黄色い声援などあるはずもない。ただ笑い声と嘲笑が響くのみである。我々はパンストを深くかぶった。
ゴウモン水色はジャンピングトルネードを決めたが、技の発動が瞬時遅れた。額までずれ上がったパンストを確認した(実際何も見えていないが)私は容赦なくとどめを刺した。
しかし戦いは終わらない。3回勝負なのである。
開戦と同時に跳ね上がったパンストは見事にゴウモン水色の頭にからみつきそこからの高速回転で摩擦抵抗が上昇。私は為すすべもなくひれ伏した。
勝負は3回戦にもつれ込む。勝負は意外な結末を迎えた。パンストが切れたのである。
こうしてパンストがまた一つオシャカになった。我々は熱い抱擁を交わした。決着は来年へと持ち越しである。と言っても私は来年いないのであとは勝手にやってほしい。パンスターNo1の称号はきっと彼の履歴書にも花を添えることだろう。
熱い戦いの向こうには何があるわけでもない。パンストをはぎ取ったゴウモン水色はすぐさま生徒会長と鯨飲少女の姿を確認。スリッパにて攻撃を仕掛けた。戦いは三つ巴の混戦へと発展した。同時に宴会場で起こったコール合戦により場内はヒートアップ。引きずられた揚句座布団によるめった打ちにあうゴウモンブルー。飛び交うスリッパ。パンストをかぶせられたまま引きずりまわされるゴウモンブルー。関係者各位に直撃するスリッパ。
一方そのころ、廊下に暗躍する影が一つ。ゴウモンレッド改めただの圷佑大である。トイレからの生還を果たした彼は冷めやらぬ飲み会の熱気に一人呆然と立ち尽くしていた。しかし、彼はその不屈の精神で再び御敵に一矢報いる覚悟を決めたのである。それも己には極力被害の及ばぬ形で。
場内で始まったコールに彼は声だけで乱入した。
圷『とーこーろーが!』
しかし彼はゴウモンピンクの裏切りにより白昼のうちにさらされた。彼は必死に応戦するが発するコールのすべてが彼のもとに返っていった。彼はことごとく打ちのめされ崩れ落ちた。そんな彼のもとに集まったのは故ゴウモンジャーたちである。
圷『くそ、なんだこの裏切りの連続は』
ゴウモン水色『僕は裏切りません』
圷『おまえ…』
彼らは熱い抱擁を交わした。
圷『でも、お前にめっちゃコール振られてた気がするんだけど、それは気のせいなのか?』
もちろんそんな愚問には誰も答えるはずがない。

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最後に笑うのはいつだって第三者。

この後もアンデットと化した照井が四方にスリッパを投げ暴れるなど、戦況はなかなか安定することがなかった。全ての暴徒が鎮圧されたころ、私は数名とガチギタートークに花を咲かせていた。そこに現れたのはあきらである。彼は現れると同時に髪で片目を隠し、
『ゲゲゲの鬼太郎!』
とだけ言って去っていった。私はかわいそうに、酔ってるんだな。と思った。数十分前に見たまっちょの姿からも察するに2時から予定されていたカルメン重奏の練習はまず不可能だろう。私は一人寒い2nd部屋にて特訓を始めた。10小節に1回は己の限界を突破しなければならないフレーズにくじけそうになりながら弾き続けた。するとそこに再びあきらが現れたのである。彼は言った。
あきら『どうして練習来てくれなかったの?』
山口『え、酔ってたんじゃないの?ゲゲゲとか言ってたじゃん』
あきら『いや、ああすれば来てくれるかなって思って。一人で待ってた』
基本、AB型コンダク二人は意思疎通が苦手である。
我々は2階の個室に向かった。ロケットスターターで寝ていた道明と、しぶとく生き残っていた圷も加わり4人で不毛な話に花を咲かせる。結局練習はしなかった。気がつけば朝の7時半。男だけで話していた話題など、ここに載せるつもりはない。ここまで続けてきたブログが削除されるのは私も不本意である。
この日私は初めて寝坊して朝食を食べそこなった。と言っても起きたのは8時半である。1時間も寝ていない。起きた恰好のままギターを持って私は合奏ホールへ向かった―。

後篇へ続く。
~次回予告~
敷島『戦いが…終わらねぇ…!』
あきら『いやギター弾けよ』
敷島『男には譲れない戦いがあるんだッ!』
なお『私は女です』
まっちょ『私も女です』
山口『まぁまぁ…』

次回、~合宿係の本気~そして感動のフィナーレ。をお送りします。
涙なしには語れない、写真も載せられない、収拾もつかない。
編集泣かせの彼らが紡ぐ、ちょっぴり切ない、壮絶にくだらない物語―

この番組は、『水も滴るイイ男、敷島河おと愉快な仲間たち』の提供でお送りしています。

テーマ : ギター
ジャンル : 音楽

07執行苦渋の記録 最終幕~愛があれば大丈夫。きっと。~

~前回までのあらすじ~
07年度生はたくさん入会して、結構いなくなった。
そしてもっといなくなった。
もうよくわからなくなってきた。

私はピアノ譜を手に握りしめ、白金校舎に続く道を歩いていた。どうしてピアノ譜なのか。
ことの発端は音取り日までさかのぼる。私は重奏を組む相手を密かに探していた。しかし、そっと聞く相手聞く相手、既にメンバーを決めているらしい。私は気づいた。これは一人取り残されている、と。
出遅れた自分が悪かったのだ。いやしかし、誰か心配くらいしてくれてもよくないか。独奏をするにせよ曲がない。そのあくる日もまだ完成していない。私は決めた。
『パワーアップしたOne more timeで重奏組を蹴散らしてやる』と。立派な八つ当たりである。
そこで問題になったのが楽譜。もともとあった楽譜ではシンプル過ぎて面白くない。しかし音数を増やそうにもそんな知識は持ち合わせていない。そこで私は知人に頼んでピアノの音源から少し音を拾ってもらった。そして、自分でも楽譜を探し、別のピアノの楽譜を見つけてきたのである。その楽譜を見つけたのが合宿当日の朝。何やら春合宿でコンダクのみほさんから教えて貰った『ヘ音記号』なるものが書いてあり、揺れる電車の中ではファソラシ、ファミレド、と数えたあたりで何が何だかわからなくなって嫌になった。そうして何も出来ぬままたどり着いた白金台の改札口。テスト前日徹夜で勉強するはずだったのに気づいたら朝だった、というまさにアレである。



2008年9月~悪い知らせがあるのだが~
夏合宿。
行きのバスで必死に音を取っていた私は、まだこのとき道明と明たちが組む5重奏に本当は人が足りていなかったことを知らなかった。それを知るのは合宿も終わってだいぶ先のことだったがいつだったかは覚えていない。要するに私は出遅れたのではなく、先走ったのだ。でもあの時sing sing singの重奏に入っていたとしても、私に東久世の代わりはつとまらなかっただろう。これは負け惜しみではない。いじけているだけである。

こうして、私の睡眠不足の合宿が始まった。
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合宿初日なんだからそんなに飲むはずない?残念ながらそのような決まりはこの星のどこにも存在しないのである。『重奏のメンバーを誰か一人でも潰せば相手の重奏は練習ができなくなる。そいつがその重奏の要ならなおさらだ』誰かがそのようなことを言った。どうして誰もそれは違うだろと言わないのだろうか。
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しかし、意外にも倒れていくのは07ではなく08だった。
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大丈夫ですって。
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本当に!
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信じて下さいよー

2日目からはあの07男子による007重奏の練習が始まった。
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音ならとってきている。と余裕を見せていた07男子の面々だったが、合わせてみたら曲にならなかった。皆、楽譜を正確に読めていなかったのである。そしてリズムもとれなかったのである。今パーリーを務める3人は、このとき道明にこっぴどく叱られた。この重奏は結局、最後まで満足に合わせることもできないまま、本番を迎えることとなる。しかし、この重奏練習中に明がなした偉業は、『07男子重奏、アイアイ案』論争までも巻き起こし、もともとあった元ネタを引き立たせ最終的には06、08をも巻き込んだ一大ブームにまで発展する。このネタはある種、その後の07執行のスタンスの根幹を成していると言っても過言ではなく、今なおその魅力は衰えず、疲れた会員の心をふと癒したり、飲み会の席を突然盛り上げたりしている。
あの時皆で盛り上がった07男子重奏の話は実現できなかったが、6分の5実現できているこの状況は皮肉である。しかし、アイアイにならなくて良かった。

改めて確信したい07はこちらへ

中日飲みでは毎年恒例のアンケート集計結果が発表される。
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08男装女装して欲しい人ランキング1位。
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これは…何だ。

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女装男装で盛り上がる宴会など興味ないと言わんばかりに暗躍するとある06男子。彼は誰に頼まれたわけでもなく自分で衣装を用意しこの合宿のために備えていた。この装備は最終日に披露されることとなる。
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トイレで何をやっているのか、気になるなら本人に訊きたまえ。

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こういうことをすると、
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だいたいこうなったり、
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こうなる。

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箱入り娘。

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敷島『やーい』
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なっちゃん『やめてー』
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あきら『おい!しきしまぁ!俺にも見せて』

中日飲みの次の日はレク日である。
しかし私は参加できなかった。二日酔いではない。独奏が原因だった。
曲が難しいどうこうの前に楽譜がないのである。仲間がいればともにこの状況を笑えるが、独奏は一人。周りの重奏は練習を始めている。私が何度となく、わいわいきゃっきゃやってる彼らの後ろから回り込んで調弦を狂わしてやろうかと思ったのはココダケの話。
現実問題、3オクターブの楽器でピアノの楽譜を弾こうと言うのが無理な話なのだ。ト音記号とヘ音記号、さらには8va(1オクターブ上で弾けの意)まである楽譜とギターのスケール一覧表を見比べてそのことに気がついたのは中日飲みの日だった。私はレクにも参加できず少し泣きそうになった。
ギターで不可能な和音はその構成音からコードを見つけ、急過ぎる上昇フレーズはアルペジオで回避。試行錯誤を繰り返すも結局この日も楽譜は出来上がら無かった。

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レクでは敷島道明が率先して川へと飛び込んだ。彼らは知っているのである。
踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損損。
レクや飲みになると、川辺は重要なところをしっかり抑えてくれる。ギターの方も何とかならないものか。でもきっと彼は答えるのだろう。
『いや、まじムリっす』

この年は、前年度にやった肝試しが無くなった。なぜなら時間が足りなかったからである。その長いコースと会員の人数を考えれば仕方のないことだ。前年の肝試しのあまり組は翌日に回すことになり、その組を叩き潰すために05SG(社会学科)が立ち上がろうとしていたことはあまり知られていない。彼らは全員全裸になってトンネルの奥から走ってくるという計画を立てたが、それでは自分たちの方が怖いではないかと言うことで廃案になった。

翌日の夜、ついに楽譜が完成した。オーディション前日である。私は楽譜が完成したことをまずじゅんぺーさんに報告しに行った。入院していた噂の彼である。私たちは合宿中、常にお互いの独奏を聴かせあっては、お互いの評価をしたりオチのない妄想トークに花を咲かせてはお花畑に現実逃避をしたりしていた。特に彼は暇さえあれば最近ネットで購入した携帯ウォシュレットのすごさについて熱弁し、私はその度にふーんと思っていた。

3つ隣の部屋ではクンパルシータ重奏の練習が行われており、
圷が大発見でもしたかのように、
『そうか!周りの音を聴けばいいのか!』
とのたまい、敷島が不機嫌になっていた。

ホールではSingSingSing重奏が練習をしており、道明がスランプに陥っていたとか。

一方その頃、08は08発表会(発表会の前に1年生だけで独奏を聴かせあう)をし、その散々たる結果に深夜もう一度発表会を開催することを決定した。当時はまだ多数の08とまともな会話すらしなかった私がその二度目の発表会に立ち会っていたのは、何故だかよくわからない。覚えているのはその時、東久世と初めてまともに会話をしたということだ。彼はこの夏、矢吹と2重奏を組んでいたのだが、後に彼は矢吹に向って言っていたらしい。
『もう、お前のサンバーストを聴いても何も感じない』と。

翌日。独重奏発表会、オーディション。
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全ての曲が終わると、皆が待ちに待った飲み会である。
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春合宿のそれと比べて、全体的に平穏だったものの、そこで撮った写真のほとんどはとても公表できるものではなくなってしまったのは、主に敷島の責任である。撮ってくれと言われたから撮ったのに、後になって写真を見せると、何でこんなの撮ったんだ。消してくれ。と言われることが多い。まったく理不尽である。いつかディレクターズカット版を配ろうかとも思っているので、まぁお楽しみに。

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彼は満を持して帰ってきた。一晩中そこかしこで響き渡っていた叫び声の原因はたぶん彼である。ゆきの部屋を襲撃した時は、そのあまりの絶叫にじゅんぺーさんの方が怖い思いをしたとか。

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私は連日の寝不足で、飲み会が始まるとすぐに気を失った。目が覚めると毛布が掛けられていた。
その毛布は、まだほとんど話したことのない私に恐る恐るまっちょが掛けてくれたものだと知るのは次の春合宿でのことである。ちなみに中日飲みの夜にしっかり話したのにまっちょが何も覚えてないということを彼女が知ったのは、つい最近のこと。
そう、いくら皆仲がいいとはいえ、パートが違ったり学年が違ったりすると、なかなか話す機会のない相手もいることだろう。飲み会はそういう人とも話せるいい機会でもあるが、翌朝には覚えていないことも多々あるため、用心した方が良い。ちなみに07の面々は酔ってなくとも記憶の飛ぶ者が多いので、これは相手にしない方が良い。
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夏合宿が終わると、全愛好会サークル対抗スポーツ大会が行われる。
この年のスポーツ大会は、07にとって散々なものとなった。結果がではない。結果がひどいのはいつものことである。そう、06が来なかったのだ。おまけに連絡すら取れなかった。このスポーツ大会、実はなかなか複雑で適当な仕組みになっており、同時に開催されるいくつかの種目を、全員で協力して消化していかなくてはならない。結局最後までよくわからなかったのだが、本来は、会長だか誰かに連絡が来るのだろうか。
朝から何もわからない07が何もわかるはずがない08を引き連れ、気づかぬうちに不戦敗を繰り返しながら校舎を彷徨った。結局よくわからないまま試合が終了し、部室前で呆けている間に閉会式が終わった。実はこの日、後に生き残る07男子が全員集合し、密かに執行の役職シュミレーションをしていた。数名が定期演奏会を最後に卒業することを知っていた我々だったが、このときはまだ最低でも8人は残るだろうことを心から信じていた。それが我々の予想しうる最悪の事態だったのである。

『8人でやっていくのはいくらなんでもきつくない?』
『いや、もう腹くくるしかないだろう』
『誰が今年でやめるか聞く時、全員で目閉じて手あげよう。俺も手あげるから』
『おれもおれも』
『圷だけ残るんだろ』
そんな軽口をたたいていた我々のもとに卒業生2名追加のお知らせが届いたのは、これから数日後のことである。

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2008年11月~お客様の中にお医者さまはいらっしゃいませんか~
1日から始まった白金祭では、我々はタコ焼きを売り飛ばした。
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敷島宅で行ったたこ焼き試食会では、たこではない何かを入れて作っていたのだが、本番はたぶんたこを入れていたように思う。今となってはどうでもいい。そもそもたこ焼き屋に来ればたこ焼きが喰えるなどという保障はどこにも無いのだ。この世はそんなに甘くない。ひとたび学祭に足を踏み入れればそこは大学自治。○☆のようなものワールド。素敵な出会いを求めて学祭などに来る者は一人残らずわさび入りたこ焼きの餌食になれば良い。
食品衛生上一抹の不安が残る食物を喰いつ喰わせつ3日間を全力で戦い切るのは、愛好会会員の義務である。確か愛好会会則にも載っていた。と誰かが言っていた気がする。するのである。
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29日。ついに迎えた定期演奏会。
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我々の07合奏でALL YOU NEED IS LOVEを演奏した。
あの時、パンフレットにのせた曲紹介には
『愛があれば大丈夫。』と大きく一言書いてあっただけであった。しかし、本当の原稿は別にあった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
協調性の無さだけならきっとどこに出しても恥ずかしくない。そんな流言飛語の嵐が吹き荒れる今日この頃。だがしかし、かくかくしかじかもろもろの理由で、このメンバーでの演奏ができるのもこれが最後なのである。
今まで一度として団結しようともしなかった我等はついに、団結することもなく空中で分解する所存である。無難に胴体着陸するつもりなど毛の先ほどもありはしない。そんなやつは犬に喰われてしまえと謂わんばかりである。
昔の偉い人は言った。
桜散る様、いとおかし。と。

  ケセラセラ
    散らばもろとも
       舞台の上で

最高の舞台で迎える、いまだかつてない脱力感。
さぁ始めよう。07年度生の散り様、刮目してご覧あれ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


本当に散ったら笑えないからといって廃案になったこの原稿。
しかし、アンケート結果によると意外に人気が高かったという事実。私は思った。もうちょっと他の曲をちゃんと聴いてやってくれ、と。

演奏会の終了後の打ち上げ、私はゆりと話をしていた。
彼女は結婚が決まって、大学を辞めることになり、したがって当会もやめることになっていた。
私は半分冗談半分本気で言った。
『結婚したって大学続けられないわけじゃないし、せっかく半分終わったんだから、卒業しておいたら?』
彼女はしばらく黙ると、自分のお腹に手を触れた。まさか。
『わたしね赤ちゃんできちゃったの』
やっぱり。
『ま、まさか、俺の子なのか…?』
などと冗談を言ってる余裕は勿論なく、私は彼女とソフトドリンクで乾杯した。

彼女も、今ではもう一児の母である。つい先程電話で赤ん坊の声も聞かせてもらった。
母子ともに元気そうで何より。
きっともうイイお母さんになってるに違いない。


2008年12月~エンドロールの向こう側~
我々が執行になるときがきた。
執行交代である。

我々のそれぞれの役職が最初の話し合いを始めて10分ほどで決まったのは周知の事実だろう。
『会長やりたい人挙手!』
『はい!』『ハイ!』『はい!』
圷と道明と敷島が手をあげ、最後は『どうぞどうぞ』圷に譲った。
道明は言っていた。
『会長となって、帝国を築き、飲み会でいつもハーレムになりたかったけど、やっぱり面倒くさいのは好かん』
会長が決まった後はもうタケノコニョッキゲームの要領である。例年数ヶ月の時間をかけ、大揉めの末に決まる役職がたったの10分程度で決まったのは、我々が自己犠牲の精神に溢れていたからではない。ただ選択肢がなかっただけの話である。つまりデキレース。この記録はそう簡単には破られないだろう。というか、張り合わなくて結構だ。

結局残ったメンバーは当初の4分の1。先鋭と言えば聞こえはいいが、少し信憑性に欠ける部分もある。散々逆境に苛まれ、やさぐれている部分もある。間の悪さでは右に出るものもいない。

抜けがけの得意な圷は真っ先に会長になったし、帰ってきた明は自分には関係のないしわ寄せに襲われながらも指揮者をしている。敷島は飲み会総取締としてその手腕を発揮しているし、私は相変わらず写真を撮りながら、雑用の総元締めを引き受けた。道明は帝国の建国には失敗したが、新入生を魔族に仕立て上げるべく技術指導に就任した。ゆきはバンドではなく合奏のベーシストになった。

あの時、ああしていたら今頃…と思うことも多かった。しかし、こうやって今までの2年間を改めて振り返ると、何をどうしていても結局今とさして変わらないのではないかと感じるのである。そんなことはないだろうか。
まぁ、いいや。


そうそう、合宿前に確認しておきたいことがある。
執行交代おける敷島の所信表明だ。

渉外

渉外補佐で培った経験をいかし、快適な飲み会が行えるよう最善をつくす。また、居酒屋勤務で鍛え上げられたうちな~精神で、会員がどんなに粗相をおこしても「なんくるないさ~」と対応してあげたい。

合宿

合宿の運営を円滑に進め、皆が楽しいことは何かを常に考え、絶対に楽しい合宿にする。また、いつもお世話になっている毎コムの岡野さんや合宿所のみなさんに対して、感謝の気持ちを忘れずに別れ際には握手とハグをして別れたいと思う。

期待してるぜ。敷島。でも痙攣はほどほどにな。


ではそろそろ2009年の9月7日に戻るとしますか。
我々の物語、少しでも楽しんでいただけただろうか。

ここから先のお話はまだ闇の中。物語は自分たちで紡ぐもの。
したがって一歩間違えばオチすらなくなるのは自明の理。
連載打ち切り、起承転転、せっかく徹夜で書いたレポートが当日の朝にパソコンのフリーズでけし飛ぶのはよくあることである。
しかし、何が起こるかわからないからこそ面白い。
我々はまだもう少し進んでみようと思う。たまに川に飛び込んだりしながら。

さて、どうなることやら。
                                  ..................fin and ?

テーマ : ギター
ジャンル : 音楽

07執行苦渋の記録 第3幕 ~007。そんなミッション聞いてない~

~前回までのあらすじ~
07年度生はたくさん入会して、結構いなくなった。
そしてもっといなくなった。

物語には脈絡というものがある。なければならない。
したがって、登場人物がいなくなる時には、それに対して何らかの脈絡が必要となる。
『ここは俺に任せてお前らは先に進め!早くッ!』
これくらいのことを言ってくれれば、たとえその人物が以後物語から姿を消しても読者諸賢は疑問を抱かないだろう。寧ろその散り様は我々の心のなかに未来永劫残ることとなる。
しかし、現実はそこまで甘くはない。打ち立てられたフラグはことごとくへし折られ、張られた伏線も路上の露と消える。そう。諸行無常といえば響きは良い。が、あまり様になってないと感じるのは私だけだろうか。

定演効果もむなしく、華麗なる前言撤回により数名の07生が定期演奏会を最後に当会を卒業していった。

一方このころ、明は正式に当会への復帰を希望した。
しかし、それには越えなければならない壁があった。
07生には強制退会という前代未聞の権力行使により当会をつまみだされた者がおり、同時に、一度当会を後にしたものは原則復帰はできないという制度まで作られたのである―。
世の中には『暗黙の了解』という便利なものがある。何でもかんでも書面に書き起こせば良いわけではない。長くとも3年ほどしか過ごさないサークル活動においては、『そういう決まりごとなのさ』と言えば片付いてしまうことも多いはず。深い意味もない生真面目さは時に面倒事を連れてくるものだ。

ただちに06執行による会議が開かれた。一度例外を作ってしまった規則はその機能を失ってしまうのが世の常である。簡単に許せることではない。話し合いは難航した。
しかし、そんなときに06の会議に割って入った07生がいた。道明伸也である。
彼は言った。
『今の07には明の力が必要です…。いいから許可しろ』と。
06生は道明の言葉に心を打たれたのか、面倒になったのかは不明だが、こうして佐藤明はあまり好きではなかった道明の助けを借り、正式に当会への復帰を果たした。問答無用でベースパートに入るという条件付きで。見つからないベースパート人員をを埋めるための妥協策だと思う私は、不謹慎だろうか。

山『お前さ、道明がいなかったらクラギ戻ってこれなかったんだよ?』
佐『え、そぉだったの?』
道『そうだ、感謝しろ』
山『まぁ同じバイトしてた仲だしな』
佐『俺、実はさ、バイトの時、道明のこと苦手だったんだよね。いつまでも飯付き合わされるしさ…
いや!今はマジで大好きだよ。ありがとうな道明。感謝してるぜ!』

などという会話を上海広場で繰り広げたのは、実はこれから1年も後のことである。
プールバイトの下りで道明が凹んでいたのはここだけのお話。
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明の復帰と時を同じくして、新たに入会を望む者が現れた。
彼女は瞬く間にその頭角を現した。様々な方面で。
当初ちゃん付けで呼ばれていた彼女は、私と同じ3rdに所属した。おとなしく真面目な彼女はすぐにみんなに好かれた。それでも少し引っ込み思案な彼女は口数も少なく、私はどうしたら彼女がみんなに溶け込めるかと考えたこともあった。しかし、私は阿呆だった。底抜けに阿呆だった。
私の思いやりが神奈川県内3大無用の長物の一つとなり果てるまでさして時間はかからなかったことは、関係者の皆様方には周知の事実である。

こうして役者は揃った。07の新たな時代の幕開けである。
私はこの2008年を思い返すと心から想う。
『これはどうしようもねぇな』と。

2008年2月~あなたの意識は誰のもの?~
07にとっては初めての春合宿。
この合宿は千葉のやまげんという民宿で行われる。毎年交通手段として使用されるフェリーは、一部の人間にとって1年の最大の楽しみともされ、会員一同、鳥に餌をやっては、ぼろ雑巾のようになって何もできない帰りの分も楽しむ。調子に乗ってうまい棒を口にくわえていた圷がトンビの襲撃を受けたのもこのときである。彼の大学4年間分の雄姿はきっとあそこで使い果たしたに違いないと私は思うのだが異論のあるものはいるだろうか。
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いずれの時代、いずれの場所においても、当会の合宿にろくなものなんざ存在しないのは火を見るよりも明らかである。いかに尊敬しうる歴代の先輩方のそれとはいえ、間違いなく大差はない。しかし、その有象無象のなかでもこの年の春合宿は一際ヘルプレスなものだったと、07一同は満を持して訴えるだろう。我々07には、己が暗い過去を酒の肴にし、またそれを仲良くトイレに流すくらいしかやることがないのである。
嗚呼、思い返せばあの春のリグリット。大空のもと肌に潮風を感じ、潮水まで感じたあの日。卓球の音と絶叫と奇声に夜ごと悩まされ、その苦しみをトイレにぶちまけたあの日。戦いの果てに得たものも、失ったものも最早判然としないそのあくる日。残ったのは、何故自分はこのようなことをしたのか、という後悔ではなく、本当にこのようなことをしてたのか、という疑問。
御都合主義で塗り固められたその記憶を打ち崩すはいつだって1枚の写真だったりする。

この合宿のお話をする前に、ひとつだけ確認をしておこう。
当会は断じて飲みサーではない。ギターを弾いて飲むことはあっても、ギターを弾いて飲まないことはないからだ。何やら騙されているような気がすると感じたそこのあなた。それは気のせいだ。とりあえず一杯飲んで気持ちよくなってから読み進めたまえ。細かいことを気にしていては立派な人格は形成できないと知りなさい。

合宿は静かな飲み会で幕を開けた。今思えばあれは嵐の前のそれだったのかもしれない。きっと彼らにはわかっていたのだ。『今はその時ではない』と。
ひとつだけ気にかかったのは、初日の夜中に聞こえた謎の奇声と卓球の音だった。朝方近くまで卓球台のある広間から一番離れた3rdの練習部屋で一人練習に励んでいた私は、眠りにつくまで聞こえていたその騒音が合宿が終わるまで毎日続くことになるとは、まだこのとき知る由もなかった。
次の日も行われた練習では相変わらず物静かな3rdは新しい仲間の成長に関心しつつ進められた。彼女と過ごす静かな日々がこの日で最後になってしまうとは、一体誰が予想しえただろうか。

同日夜。彼女は帰らぬ人となってしまうのである。この日の夜は中日飲みが行われ、開始早々に行われた卓球大会と、不毛なコールで私は得体のしれない酒のようなものを飲まされ吐き気を覚え、一人3rd部屋に避難した。口の中に残る臭ささが落ちついたころ、宴会場である広間に続く廊下で私は襲撃を受けることになる。突然首の後ろに走った衝撃に私は踏みとどまることもできず、そのまま食事部屋に倒れこんだ。酔いつぶれた者用に積んであった布団にカメラを持ったまま突っ込んだ私は胸を強打し、息も絶え絶えにようやく犯人の姿を確認した。

『ぐっさんどこ行ってたの?わたしね、ちょーさみしかった』
部屋に踏み込んできたのは新入会員の彼女であった。
『ぐっさーん、わたしのおはなし、聞いてくれる?』
酔った勢いで過ちを犯すほど馬鹿な彼女ではないと思った私は、完璧に間違っていた。
『わたしね、今すごくつらいの』
そう、彼女は思っていたよりもずっと、阿呆だった。
私はその後、手を握られながら、鼻からモノを出すことの辛さについて滔々と説かれ、一緒に酒を酌み交わす約束を一方的にさせられた。完全に戦意を喪失した私は彼女に引きずられるまま宴会場へ向かうことになる。私はあの時全力で訊きたかった。
『その手、まさか洗わずじまいで来たわけではあるまいな』と。
翌日の練習から彼女は呼び捨てになり、その代り入会当初からの仲であったかのように皆になじんでいた。

宴会場に戻ってすぐ私は背後で激しい炸裂音を聞いた。振り返るとそこには道明と敷島が互いに背を向けて膝をついていた。互いの手にはプラスチックのバットとメガホンが握られている。
敷島『俺の面が先だった!』
道明『いいだろう!もう一度勝負だ!』
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突然始まった戦い。互いに構え切先を向けあったその時。
?『ちょっと待ちな』
二人の視線の先に立ったその人物は敷島からバットを奪うと道明に向きなおった。
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?『こい』
飛びかかる道明。続けざまの激しい炸裂音。
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敵の激しいめった切りに道明は倒れた。
しかし戦いは終わらない。戦場は食事部屋に移された。
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決闘。
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と、その後。

幾人もの挑戦者(部屋に入ってきただけ)がみな敗れ去った。
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人やモノが飛び交う中カメラのシャッターを切り続けていた私も最後には投げ飛ばされた。
ここでデジカメが大破したためここからはフィルム一眼での記録となる。
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この後戦場を卓球台へと変えた彼らは、朝までそのラケットを振りまわし、魂の叫びを放っては二日酔いの会員たちに言い知れぬ苦痛を与えた。
実はこの戦いの裏でもう一つのドラマがあった。舞台は主にトイレである。1時間以上その個室に引き籠り、便座にしがみつき、引っ張ってもびくともしなかった彼は皆のかける心配の言葉にこう答えた。
『3弦の7フレットが、気持ち悪いっす』
『わかるよ、俺もレの音は好きじゃない』などと答えるものはもちろんいない。そのまま意識を失い、便器に顔を突っ込んだ彼をすぐさま3人がかりでひきはがし、戦いの終わった食事部屋に寝かせた。しかし、彼はすでに息をしていなかった。
『あくつー!!』
揺さぶられながら呼びかけられ、彼は思い出したかのように再び息をし始めた。
もしもあの時、誰も声をかけずにその場を去っていたら、07執行は5人になっていたのだろうか。
ちなみに圷はこのときのことを何も覚えていない。
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飲み会の次の日はどうせまともなものは食べれないんだろ?という宿の人の優しさを感じる。

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次の日のレクでは毎年恒例の海へと出向いた。合宿補佐の圷が何の役にもたたなかったことは言うまでもない。朝になってもまだアルコールが抜けず、顔の赤かった彼は、浜辺につくと、一人遠くに歩いて行ってしまった。
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もうひとりの合宿補佐である敷島は孤高奮闘し、ドッヂボールを盛り上げ、海に走っていった会長に後ろから突っ込み、頭から着水させた。当然彼も飛び込み、一人で水泳を楽しんだ。
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きっと、彼は次の年の春合宿で、後輩たちを海に入れても大丈夫か確認していたに違いない。

この日の夜もその次の日の夜も、夜になると卓球の音と雄たけびが聞こえた。基本的に夜は自由時間である。しかし、独重奏の発表がある以上、その時間は否応なしに曲の練習時間となるのが普通である。しかし彼らは違った。『冷静と情熱のあいだ』重奏である。
彼らは日々卓球の訓練に励み、己のすべてをそこにぶつけた。きっと彼らは冷静と情熱のあいだに卓球を見たのだろう。合宿の初日には、相手を挑発し、油断したすきにサーブを叩きこむことでしか得点を取れなかった道明が、合宿が終わるころには経験者と対等に渡り合えるようになったその姿は観る者を感動させるに値するものだった。実際誰も感動しなかったのは、これが卓球の合宿ではなく、ギターの合宿だったからである。
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最終日前日には多くのOBOGが合宿場を訪れた。しかし、誤解してはいけない。
彼らは、私たちの頑張っている姿をただ眺めに来たのではなかったのである。事前に届いたメールは、『OBOG一同は、現役に卓球で勝負を挑む。心して練習に励め』との内容だった。彼らはこの日のために白金校舎の卓球台で辛い特訓に耐え、お揃いのユニフォームを作って合宿場の門をたたいたのである。
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現役も黙ってはいなかった。『冷静と情熱のあいだ』重奏を中心にこれを迎え撃ったのである。
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現役VSOBOG卓球大会の開催がここに決定した。これはのちのブロッコリー杯の原形ともなる歴史的な試合である。
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結果は激戦の末、OBOGの勝利。しかし私は思う。別に勝たなくて良かったのではないか、と。

卓球大会の終了後の最終日の飲みは、いまだかつてない凄惨なものとなったことをはじめに記しておく。食事中、食後の方は一度ウィンドウを閉じることをお勧めする。嫌なら読むな。苦情は受け付けない。

何がどうどれだけひどかったのか、簡単に表現するならば、道明が涙を流すくらいにひどかった。
何が発端となったのか実は私はあまり知らない。連日の練習で(断じて卓球ではない)寝ていなかった私は、卓球大会が終わってすぐ、少しだけ寝てから飲み会に参加することにしたのである。1時間ほど寝た私は、寄りかかっていた壁と床から伝わってきた振動で目を覚ました。廊下を走ってくる大人数の足音にただならぬ危険を感じ、私はカメラを持って反対側の扉から避難した。私がドアを閉じるのと同時に室内から炸裂音と敷島の叫び声が響いてきた。また始まったのである。しかも参加者が増えた状態で。
ここから先の話を理解していただくためにやまげんの構造を説明しよう。
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やまげんには離れの建物と本館が存在し、離れは主に男子が寝るためだけに存在する。そして本館が練習場(戦場)である。101がBass部屋、102、103をつなげたのが食事部屋。小ホールと105、106、ホールが練習部屋として使われる。2階は女子が寝室として使用するため、基本男子の出入りはあまりない。

宴会はホールで始まり、私が寝ていたのは最もホールから離れた106。しかし敵はそこまで攻め込んできた。この時点で本館1階はすべて戦場になったと判断するのが妥当である。
私がとっさに避難したのはバスルームやトイレがある裏手の廊下。続けて裏の廊下に向かって走ってくる足音に私はバスルームに隠れやり過ごし、ホールへと向かった。状況を確かめるためである。また、まともな者が残っていれば事情も聞ける。しかし、つきあたりを曲がったところで私は突然誰かにしがみつかれた。明である。
明『おお、山口、久し振りぃ』
他の予定と重なり合宿には参加できなかった彼だが、最後の独重奏発表会だけでも見に行くと言って来てくれたのである。しかし、彼は盛大に酔っぱらっていた。
『俺は山口が大好きだ!8番目位に好きだ!なぜかと言うとー』
そこまで一気にしゃべったところで我々は背後から来た団体さんに押し流されホールへと飛び出した。そこには見たくない光景が広がっていた。ほとんど人の残っていないそのホールで、ほぼ全員が酔ってコールの大合戦をしていたのである。その時私は悟った。
さっき廊下を走っていた奴ら、ここにいる酔っぱらい、後は死人部屋にかつぎ込まれたか、トイレで痙攣しているか、とっくに逃げ出して『好きな人いないの?』とかヒソヒソ楽しく盛り上がっているに違いない。要するに逃げ遅れたのである。
私はとっさにコールをしている側の席に座って酔った振りをしながらコールを振った。
しかし、酔ってるくせに目ざとい輩はいるものだ。誰とは言わないがママである。彼女は私にお帰りコールを吹っかけて、酔ってないとイチャモンを付けては机の上にある安焼酎を飲ませ続けた。背後ではチャンバラをしながら数名が外に出て行った。
私は焼酎のコップを空け、ママが次の瓶を取りに行っているうちに元来た道へ走った。
後ろから『おい山口逃げるのか!』とママの怒号が聞こえたが、私は相手にしなかった。三十六計逃げるに如かず。相手をするつもりなんざ毛の先ほどもありはしない。
私は一番近いBass部屋に逃げ込んだ。しかし。
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そこには圷と06女子がいた。やっぱりいた。
圷『おい!今大切な話してんだから出てけよ!』
間違いなくイヤらしい話の間違いだろう。『本当は好きな人いるんでしょ?』とかそういう話に間違いない。続けて起こる帰れコールに私はカメラを取り出し悔し紛れのブラインドショットを放って退散した。食事部屋に向かう途中、トイレからホールに帰ろうとする集団を捕まえ、『Bass部屋にまだ結構酒あったから向こうで飲みなよ。圷もいたよ』と伝えたのはここだけの秘密である。
食事部屋に入るとそこはやはり戦場になっていた。前年2ndでお世話になった05のパーリーが同じく05のコンダクを背負い投げし、障子にたたきつけているところだった。黒帯という噂は本当だったのだろうか。私は何も見なかったことにして扉を閉めた。続けて入ったのは小ホール。
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そこでは05、06の1stパーリーによるパイレーツオブザカリビアンの演奏会が開かれていた。
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後の07.1stパーリーとコンダクも発見。
何でもいいが、ギターはしまった方がいいのでは。ここじゃなんでもすぐに武器になる。
演奏会がなかなか終わりそうにないので私は奥の部屋に向かった。
誰もいない静まり返ったその部屋にはなぜか梅酒の紙パックと紙コップが置かれていた。
私は梅酒とコップを手に取り、パイレーツを聴きながら一人でそれを飲んだ。いっそのこと酔って何もわから無くなってしまえばいいと思ったのに私は酔えなかった。
置いてあったギターを取り出し、私はその日の独奏発表会で演奏したOne more time,One more chanceを一人で永遠と弾き続けた。
しばらくするとそこに05の2ndパーリーがやってきた。
一通り、その日私のOne more timeの評価をすると彼は突然寝た。しかし5分ほど寝ると体を起こし、
『山口、そのあくる日練習してる?』
『あれ、簡単って言ったけど、ちょっと嘘だったかも知れない』
『CDかしてあげようか』と5分おきの会話が続いた。
30分ほどすると起きなくなったので私は再び戦地へ赴く覚悟を固め部屋から出た。
部屋から出て食事部屋の前を歩いていると、突然障子が開き、中から人が飛び出してきた。05の彼はトイレへ向かうつもりだったらしいが、反対側の扉から行けばすぐトイレだったことは思いつかなかったらしい。あたりかまわず少しずつフライングをしながら、最後はトイレを目前にゴールを決め、結局トイレには何も流さなかった。
食事部屋に入ると、さっきまでは戦場だったはずなのに、一変してそこは死体置き場になっていた。
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つわものどもがゆめのあと。
合宿の飲み会でいつも気になるのはこの死人部屋の存在である。死人が出始める頃にはだいたい皆も酔っているわけで、そうすると、一体誰が管理して死体部屋を決め、そこに死体が集まるのか。そして死体すべてに布団をかぶせたのは誰なのか。きっと小人か黒子がいるに違いない。

部屋を出るとBass部屋の前で、明が酒を飲みながら、周りの人に愛の告白をしていた。私ももう一度告白された。ホールに戻ると、待ち構えていたママに酒を飲まされたが、最早敵の兵も少なくなっておりコール合戦は終わって、和やかな雰囲気すら漂い始めていた。
しかし、これくらいの時間帯になると、もう一つの戦いが始まる。私は食事部屋でそれを見た。
あたりがようやく静かになって、再び食事部屋に戻ると、死体の山の上で二つの人影が方を寄せ合って座っていた。
近づいてみるとそこには道明とみほさん。
道明『俺は悔しいッ!』彼は床を叩いてどなった。
みほさん『もう大丈夫だから道明も寝なよ。ね?』
道明『みほさんこそもう僕がやっておくので大丈夫です』
そこではべそをかいている道明と疲れ切ったみほさんが互いに励まし合っていた。二人の周りにはトイレットペーパーとペットボトル、ビニールの山ができていた。
彼らは寝ながらコトを催す死体たちを見張り、必要とあらば水を与え、風呂桶やビニール袋を用意し、廊下でフライングしたものも片づけていたのである。世話をかけた本人たちの9割がたは翌日には記憶が無く、当会では最も辛い仕事の一つを彼らはやっていたのだ。
道明『なんで僕たちがOBOGの○ロ掃除しなきゃいけないんですか』
みほさん『ほんとごめんね、06がしっかりしてなくて』
道明『みほさんはいいんです。』
?『えへへ、えへへへ』
突然の不気味な笑い声に振り帰るとそこで死人が寝ながら笑っていた。そして彼はそのまま話し始めた。
沖○さん『自分の意識が…自分のものでないように思える…』
知った事か。我々は思わず笑ったが次の瞬間隣で倒れていた別の死体(ド○さん)から不穏な音がしたため、あわてて風呂桶に彼の頭を突っ込んだ。

その頃、ホールではあきらが暴走を始めていた。様子がおかしいので行ってみると、そこには周りを巻き込み再び飲み始めようとしているあきらがいた。
あきら『酒はどこだ!俺とってくるよ!』
必至で止めるママとなっちゃんの制止を振り切りあきらはお酒探しの旅に出た。
道明が自分の戦果のようによく語っていたあの下りである。
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次々とあきらが見つけてくる酒を私となつきとママはBass部屋の押入れに隠し続けた。
何とか彼が寝るまで耐え忍び、彼が意識を失った頃には外も明るくなりはじめ、私の春合宿はここで幕を閉じる。

物事の始まりはいつも些細なことだ。一杯の酒、遊びで始めた卓球、おもむろに握りしめたプラスチックのバット。こんなはずではなかったのに。気づけばすべてが手遅れで、結局は飲むしかなくなるのが世の常だ。
昔の偉い人は言った。涙とともに食べた人でなければ、人生の味はわからない。
しかし、どうせ食べるにしても、それが安い酒のつまみではあんまりじゃなかろうか。

2008年4月~時が経つと言うこと~
あの春合宿から1か月。私はインフルエンザに倒れながらも沖縄へと旅に出た。3月23日から10泊11日の旅から帰ってきた終着駅は戸塚駅。ついたのは4月の2日。そう。新歓期間である。
戸塚について和田さんに連絡をすると、TAPAでの2次会が終わったとのこと。本当はほとんど飲まず食わずで帰ってきたから、少しでも食糧を分けていただけないかと思っていたのだが、人生はそんなに甘くなかった。その日にTAPAの下であった08数名には次の日もはじめましてと言われたことを覚えている。そんなに汚かったのだろうか。とりあえず青春18きっぷとフェリーで沖縄に行ってはいけない。今言えるのはそれだけだ。

ついにここから08生が登場する。最近はすっかり07の扱いにも慣れてきた08だが、かつてはフレッシュマンだったのである。
彼らはギターへの関心が非常に強く、経験者も多かった。我々07は大いに動揺した。たぶんすでに教えることは何も無いのではないか、と。
明学高ギター部からのエスカレーター(拉致と芋づる式)により捕まった木村、川辺、東久世。相模大野高ギター部から進んでクラシックギター部を訪れてきたまっちょとずーみん。飲み会において、敷島に勝負を挑み、負けたら入会すると言って負け、本当に入った矢吹と優作。友人の付き添いで来たはずなのに自分が馴染んでいるという事実に気づいたなお。こうして少しずつ08のメンバーがそろっていった。彼らは口々に言った。
『クラギの雰囲気好きです。先輩みんないい人だし』
それが、一年後には
『佐藤ないわー』
『敷島本気でなぐるぞ!』
『生産性が無い』
『山口さんもういいです』
『やっぱり圷は圷だな』
『ちょっとゆきさん黙っててください』
『道明先輩、それ本当に気持ち悪いです』
となるんだから、人生はままならない。
別に08を否定をしているわけではない。皆、同じ道をたどるのである。07もそうだった。09もきっとそうなる。いや、なりかけている。
小さい頃は自分の親が絶対的な存在だったのに、年をとるとひとりの人間としてみることができるのと同じことだろう。


12日から13日にかけては新歓合宿が行われた。
前年の事件により、この年から新しいキャンプ場を使うことになったのは周知の事実である。その名は『このまさわキャンプ場』。この地で、当会の新歓合宿の新たな歴史が築かれていくのだろう。
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桜の残るまだ肌寒いキャンプ場。その詳しい内容に関しては今年の新歓合宿を参照して欲しい。大差ないから。
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しかし、ひとつ言及しておかなければならないことがある。
そう、丁度一年前のあの誓いを破るものが現れたのだ。
桜の散りゆくその季節。遅咲きながらも晴れて満開目指す彼らは、あろうことか新入生が主役のはずのこの合宿で我こそが主役ならんと、酔いつぶれた08をしり目に暗躍したのである。
一人は見事その目的を達成したが、一人は度重なる迷脇役の大立ち回りに画面からフェードアウト、その花びらを夜道に散らした。彼が画面に戻ってこれるのはまたずいぶん先のことである。
そんなことも知らずに08は大いに宴会を楽しんだ。
敷島の迷台詞『吐くって思うじゃーん』もこのときに生まれた。実際直後にはいちゃったのはご愛敬。もらい○ロしちゃったコがいたのもご愛敬である。小学生の旅行バスの中ではよくあることである。
矢吹はなおの飛び蹴りで吹っ飛び、東久世は横になったまま動かなくなった。彼は翌朝になっても起き上がらず、そのまま帰らぬ人、というより帰れぬ人となった。結局05の車に乗せられて彼は帰った。小黒さんから貰った胃薬を飲んで緑色のものを吐くことに関しては彼が第一人者である。
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一方、朝まで元気だった敷島は川辺と木村を引き連れ川へと向かった。きっとどうしても入りたかったのだろう。川の中に大きい石を積んでは、俺たちは橋を作ると言って聞かなかった。結果的に敷島と川辺は靴を履いたまま川に落ち、その目的を達成した。
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帰りのバスに乗れなかった会員もたったの一人と言うことで、この新歓合宿は大成功のうちに幕を下ろした。
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2008年5月~ベース音の大切さ~
我々上級生は本気で恐れていた。07みたいのが入ってきたらどうしよう、と。しかし、我々の不安は徒労に終わった。14名の08が当会に正式入会した。彼らは皆仲が良く、ギターに対してもまじめだった。07の立つ瀬が無くなりかけているのは誰の目にも明らかであった。
そんな状況で始まったフレッシュマンアンサンブルへの準備。
1stはちかこ、2ndは道明、3rdは私がパーリー、コンダクは明、という編成が決定した。そして、私は気がついた。楽譜がまだそんなに読めないと言うことに。3rdは主にベース音でメロディーが無いため、パート練ではひたすら楽譜を頼りに弾くしかないのである。実際3rdの楽譜を弾いてみると、途中でリズムが分からなくなってしまい、私は愕然とした。そして練習にほとんど来ない優作、練習中ほとんど反応のないまりこ、明日香、なおこ、照井。私は窮地に立たされていた。
そして、ついに恐れていた日がやってくる。
照井『あのちょっと一回弾いてみて欲しいんですけど』
私は腹をくくった。それもこの程度のことで。
山口『たぶんみんなメロディーじゃないから、わかりにくいんだよね。全部のパートが弾くとこうなるんだよ』
そう言って、私は3パートを同時に弾いたのである。所詮は独奏譜をばらした楽譜、これならいけるぜ。と私は満を持して演奏した。
『わかった?今の親指で弾いてたベース音がみんなのパートだ。ベースは曲に厚みを与える重要なパートだから、最初はメロディーなくて楽しくないかもしれないけど、他のパートと合わせるようになったら楽しくなるよ』
とんだ詐欺師である。
みんな見捨てないでくれてありがとう。そしてごめんなさい。

そのころ1stではちかこは大量のお菓子を購入し、08に餌付け作戦を実行。2ndでは道明が、暇さえあればサンバーストを弾き始める矢吹に『次弾いたら殴る』と言って本当に殴っていた。
そして合奏の時間になるときっと明の音楽講座が開かれていたのである。
あの時のフレッシュマンアンサンブルは、今の活動の縮図と言っても過言ではない。かもしれない。

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2008年6月~月まで飛んでもクラギはクラギ~
22日。キャンパスコンサート。
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特訓の成果をいざ。
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かつての舞台製作方式。
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08合奏 Fly me to the moon

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08にとっては初めての演奏会。考えてみたら、初めての楽器を持って人間に1か月チョイで演奏会に立たせるというのもすごい話である。しかし、何とかなるのだから面白い。
月をも目指す彼らがこれから乗り継ぐ乗り物は得体が知れない07が操縦する飛行物体。
エンジン不調、車輪は出ない。客室乗務員は突然減ったり、船長は現在位置を知らなかったり。副機長はもうここで降りると騒ぎ出す始末。
しかし彼らはまだ何も知らない。
                                To be continued.............

次回はついに最終回!2008年度後期活動。
愛があれば大丈夫~でもやっぱり無理かもしんない~をお送りします。
人生は何が起こるかわからない。でもそんなのってありですか。
定期演奏会を前に07解体の危機!空中分解寸前!
『機長!なんとか胴体着陸を!』
『ちょっと無理っぽい』

テーマ : ギター
ジャンル : 音楽

大切な人への贈り物 特別な日をあなたに

【誕生日】
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

誕生日(たんじょうび)とは、ある人や物が誕生した日のこと。一般には1年のうちで、その人や物が生まれた日の応当日を指すことから「誕生月日」または「誕生記念日」を意味する日付である。人が生まれた年月日については、生年月日(せいねんがっぴ)と呼ばれる。

多くの場合は人や動物について使われ、誕生日には家族や知人・友人などが集まってこの日を祝福する行事(誕生日パーティー)が行われることが多い。また高齢者が誕生日を迎えた際は、地方公共団体から祝いの品などが届く場合がある。特に長寿の場合には地方公共団体の長などが直接自宅を訪れ祝福したり、広報や地域新聞などで報道されたりもする。

各地には様々な風習がある。

* 日本:1歳の子供に餅を背負わせる。
* 韓国:ミヨクッ(ワカメスープ)を飲む。
* ロシア:耳を引っ張る。

祝福すべきその日を、我々は半年前から知っていた。その日が強化練中に訪れることは部室に保管されている年間活動予定にも記されており、かつ、一部の組織の間ではその日に向けての抱負が語り合われていた。一年に一度のその日を一生に一度のものにするために、我々は何度となく議論を重ね、計画を練り上げた。

日頃からの感謝の気持ち、そして鬱憤、私恨怨恨その他の言葉にできない気持ちを自戒の意味も込めてすべてぶつけることこそが、愛である。と、我々は確信していた。

強化練3日目
この前日は副会長の明の誕生日であった。さらに、この日は日ごろのオーバーワークとその責任の重大さ、またアルコールの過剰摂取によってついに当会会長が倒れ、活動を欠席した。きっと誰しもが思ったはずだ。
『大丈夫かなぁ。心配だなぁ。しかしこれは都合がいい』と。
敵、じゃなくて目標の分散は我々の全計画の成功を暗示していた。これで心おきなく今日の分の仕事ができる、とレク担当の1stパーリー敷島も思ったに違いない。

計画は練習後の事務連絡で決行された。
会長の欠席により、この日の主役である副会長のあきらは会長席、つまり、みんなの前に座ることとなった。合宿係である1stパーリーが事務連絡を促され、合宿費を集める旨を皆に伝えようとしたその時である。
『あれ?あれ!?おかしいな。みんなから集めたはずの合宿費が、ない。』
一人当たり4万近い合宿費である。皆からすでに集めたはずのその合計はゆうに30万を超えていた。騒然(盛り上がりで)とする教室の中、07執行だけが廊下に集まることとなった。きっと部外者による盗難事件に違いないが、ありふれた封筒が誰かの荷物に紛れてしまった可能性も否定できない。
心が痛むが全員に荷物を調べてもらうことになった。会員同士がお互いの荷物を調べているというつらい現実のなか、合宿費をなくしてしまった1stパーリーのフォローを必死に考えていた明の鞄を調べていた敷島が声をあげた。
『あきら、これ』
手に持っているのは二つ折りの封筒。中から出てきたのは札束。凍りつく教室の空気(期待で)。
敷島は教室の照明のスイッチに手をかけながら言った。
『どういうことだよ』
次第に落ち着きをなくす明。
そこでパチン。
せーの
ハッピバースデートゥーユー♪
運び込まれるケーキ。遅れて渡されるプレゼント。
終いには俺やったかも知れないと思い始めていた明君。
ごめん。
そしておめでとう。
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やってはいけないレベルのブラックな悪ノリにこちらも内心ハラハラ。
今回はまぁみんなも会計の明のようにお金の管理はきちんとしましょうね。と言うことで。

強化練4日目
帰ってきた誕生日の会長を全力で叩き潰す、じゃなくて、祝福しようというこの日。前日祝福された副会長も交えての大捕り物となった。
パート練終了後、合奏練習が始まり、アシタカせっきの演奏を確認が始まった。
汗だくで遅れてきた1stパーリー。
『何だか楽しそうだけど、合奏には遅れないように』
ケーキをバイクで買いに行っていた彼を叱るのは心が痛んだが心の中ではグッジョブ!と声援を送りつつも、一応ゆるみかける空気の牽制のために注意。
この日は普段とは趣向を変えようということで、1年生が一番前、3年が後ろという席順にした。もちろん前においたカメラに気付かれないためである。そして、昨日はこれで合宿前最後の練習にしようと言ったはずのコーヒールンバの確認をすることに。
今回の仕掛け人である、まりことなおこに会長の圷は何も知らずに挟まれる形となった。

コーヒールンバの確認では普段あまりやらないソロパートの確認をすることになった。もちろん計画通りである。ソロパートの最後にある圷のE7の和音に全力でイチャモンを付けるのが目的。
何度やっても明のOKが出ずに滞る(実は盛り上がる)練習の雰囲気。
『音が曇ってる』『はっきり聞こえない』
など散々に言われたのち、明に意見を促されたまりこが一言。
『ありえない』
突然立ち上がったまりこは教室から出て行ってしまう。そこであわてた様子のなおこがダメ押しのもう一言。
『圷さんのせいかちょっと確認してきます』
続いて出ていくなおこ。
自分のパートの後輩に全否定され固まる会長。
これから1週間の合宿を控えての失態。
そこで外に様子を見に行った明が帰ってくる。
『やっぱり圷が原因みたいなんだよね。これからまりこ帰ってくるから、ちょっとなんとかしたほうがいいよ』

ドアを開けて入ってくるなおこ。
『ドッキリでした』落とされる照明。ケーキ。ハッピバースデートゥーユー。
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後期の抱負は和音を奇麗にすることになった圷君。本当は後輩にも頼りにされているので頑張ってください。
すまん。
そしておめでとう。

全てが終わって不毛な達成感に包まれる教室。前日明も騙されていたことを知ってほっとした圷はまだすべてが終わっていないということに気がつかなかった。

事務連絡も終わり、部室に戻る時間。みんなが足早に部室へと向かう中、圷は私と明に足止めをされていた。最後尾で部室につくと会員全員が部室前の席に座って黙って圷を見つめる。
敷島が優しく圷のギターを受け取った瞬間。
『圷おつかれー!』
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敷島の掛け声を合図に会員全員が隠し持っていたビール(ノンアルコール)を圷に浴びせかける。
必死の逃亡もむなしく彼は頭からビールを浴びた。
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おつかれ会長。合宿もがんばろう。

テーマ : ギター
ジャンル : 音楽

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